浄土庭園の照明

今年も紅葉の時期に合わせて国宝白水阿弥陀堂のライトアップが実施されました。期間中は多くのお客さまを迎え、無事に終えることが出来ました。

例年、お堂の照明や紅葉のライトアップが主役ですが、今年は新たに浄土庭園の池に浮かぶハスの花をイメージした照明とお堂前までのアプローチに露地行灯風の特注器具を制作しました。

コードレスで蝋燭のように揺れ動くLEDランプ

露地行灯風器具

写真1. 露地行灯風器具の制作過程

露地行灯風器具は、竹かごのような模様をもった円筒状のデザインで、耐候性と強度に配慮してステンレス製の特注で作りました。器具は景観に溶け込むよう、あえて透けるデザインにして、塗装色は昼景でも歴史あるお堂の建築と調和するように考えました。(写真1)

器具は乾電池(単三電池×3個)で点灯するLEDユニットを使用しているため、コードレスになります。照度センサーとタイマーが内蔵されていて、周囲が暗くなると点灯し、約5時間後に自動的に消える設定が出来ます。

露地行灯風器具

写真2. 周りが暗いため、陰影が生かされた演出となる

このLEDユニットを円筒状器具の上部に下向きに置くように取り付け、光は足元だけを照らしだします。このLEDユニットはゆらぎ機能も持っていて、あたかも風でろうそくのような光が揺らいでいるかのように見えます。

足元の台座は砂利で隠れるようにし、足元に網目状の光と影が映し出され、落ち着きのあるコントラストを空間に表していました。(写真2)

器具間隔は器具の高さ350mmに対して、約5mピッチで2列に配置することで、阿弥陀堂参詣への誘導効果を高める美しい連続性を生みだしています。(写真3)

お堂へと続く露地行灯風器具

写真3. お堂へと導く露地行灯風器具、お堂手前中央に石灯籠が見える。

阿弥陀堂前の石灯籠は元来、仏前に供える燈明の用具です。イベント中は蝋燭の光が使用されていました。イベントが始まる前夜は満月に近い夜でした。人気のない中で見た月明かりの元、石灯籠と露地行灯風照明の揺れ動く光だけの共鳴はまるで中世の世界にタイムスリップしたような趣が一瞬感じるほどでした。

次のページでは「池に浮かぶように光る照明器具」についてご紹介します。