トラベル英会話

atとinどっちを使う? 漠然とした前置詞atの本当の役割とは

onは「~の上に」、inは「~の中に」と割合はっきりした意味があるのに対し、atは「~で」とか「~に」とか、どうも意味が漠然として使いにくい、と思っているのではないでしょうか。ここではその理由と、どんな場合にatがよく使われるのかを考えていきます。

足立 恵子

執筆者:足立 恵子

トラベル英会話ガイド

<目次>

「空港に到着する」はin?at?

atとinどっちを使うべきか

空港はarrive inかarrive atか

前置詞atの使い方に関連して、よくこう聞かれることがあります。

「"空港に到着する"は、arrive in the airportとarrive at the airportのどちらが正しいの?」

答えは、どちらも正解! 「空間を表すinの使い方」でご紹介したように、inは「空間」を表すので、in the airportというときは、空港という広い空間に飛行機が着陸するイメージです。それでは、atは?

atは場所の広さや大きさに関係なく、移動先や何かが起こる特定の地点を表すので、arrive at the airport というときは、「飛行機の到着地点がその空港である」と指し示していることになります。乗り物の到達地点を表すのに、以下のように使うこともできます。

arrive at the railway station(駅に着く)
arrive at the bus stop(バス停に着く)

ちなみに、railway stationは「空間」が感じられるので in the railway stationとも言いますが、in the bus stopとはほとんど言いません。
 

乗り換えるときもat

例えば電車を乗り換えるとき、「横浜駅で乗り換える」は次のように言います。

change trains at Yokohama

たくさんある中の特定の駅を指すために、atを使うのです。この場合も「乗り換え地点」には「空間」があまり意識されないことから、change trains in ~とはほとんど言わないようです。

atは時間を表すのにもよく使われますね。念のため復習ですが、次のときに使われる前置詞は?

(    ) 10 o'clock (10時に)
(    ) Monday (月曜日に)
(    ) February (2月に)
 

時間を表す前置詞の区別

atは場所に使われる際、特定の地点を指し示すということを説明してきました。それでは、時間の場合は?前ページの答えはこうですね。

( at ) 10 o'clock (10時に)
( on ) Monday (月曜日に)
( in ) February (2月に)

atは広がりが感じられないことから、at 7 o'clock(7時に)、at 5:25(5時25分に)のように特定の時間を表すのに使われます。onは数ある日の中のとある日に「乗っかっている」「くっついている」というイメージから、on Tuesday(火曜日に)、on December 15(12月15日に)のように、「日」に対して使われます。月にはもう少し広がりが感じられることから、in January(1月に)、in the next month(翌月に)のようにinを使うわけです。
 

慣用的な使い方の中にも理由があった!

at には次のような慣用的な使い方もあります。

look at ~(~を見る)
be good at ~(~が上手)
be surprised at ~(~に驚く)

look at ~の場合ですが、lookは「見る」という行為の中でも「視線を向ける」という意味を表すので、何に視線を向けるのか、特定してあげなければいけません。その特定先をatで表すのです。

be good at ~は特定先がものや場所ではなく、「行為」になったときです。He's good at cooking.(彼は料理が上手だ)は、彼は何が上手なのかということをatで特定しているわけです。be surprised at ~も、atによって何に驚いたのかを特定しています。

それでは、次の文の意味は、正確には下のうちのどれになるでしょうか。

He's at work.
1) 彼は職場にいる
2) 彼は仕事中だ
3) 彼は勤め人だ
 

「~中だ」もat で表す

「仕事中」はat work

「仕事中」はat work

何かを特定することができる前置詞atについて、さまざまな特定の仕方を見てきました。前ページの答えはこうなります。

He's at work.
2) 彼は仕事中だ

遊びにいったり勉強したりしているのではなく、atによってwork(仕事)に特定することで「仕事中」となるわけです。職場にいてもいなくてもかまいません。ちなみに「職場にいる」はHe's in/at the office.となり、「彼は勤め人だ」はHe's an office worker.となります。

ほかにも、こんな言い方が「~中」という意味になります。

at school(学校で勉強中)
at breakfast(朝食中)

at homeという表現も、必ずしも「家という建物の中にいる」ということではなく、「在宅中」「自宅にいる」といった意味合いを表すのです。
 

会話の中でatを使ってみよう!

それでは、atが実際に会話の中でどう使われるのか、確認してみましょう。

A: Can I see you tomorrow at 10 o'clock?
B: 10 o'clock? I'll be at work then.
A: How about 9? Let's meet at the office entrance.

A: 明日10時に会えるかな?
B: 10時?そのときは仕事中だ。
A: 9時は?オフィスの入口で会おう。

時間、行為、場所と、「特定するat」は広範囲にわたって使うことができますね。ちなみに、最初にご説明しましたが、場所を表すときにinは「空間」を、atは「特定の地点」を表しますが、意味合いに大きな差は出ません。「間違ってinを使ってしまった!」なんて思う必要はありませんので、どうかご心配なく。

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