鉄の胃袋と笑顔こそ、リーダーシップの源泉
キャリアの軌跡とグローバルキャリアへの契機は?
ガイド:山下さん、ご無沙汰しております。やっとキャリアインタビューが実現できました。さっそくですが、山下さんのキャリアの軌跡をお教えいただけませんか?山下氏:遅くなりまして申し訳ありません。日本にあまり居ないもので(笑)実は今朝アメリカから帰国したばかりです。月の半分は海外で仕事をしています。
さて、本題ですが、新卒でマンダム社に入社し、2年目から海外赴任しました。以来20年以上も海外に赴任するとはその時は思ってもいませんでした。
振り出しは、シンガポールの買収した会社へ出向し、同時に駐在員事務所を新設し二つのキャップを被り、次にマレーシアに新会社を設立、この2つの国を行き来しながら9年間。その後、タイの現地会社の再建で3年弱、そこでは工場閉鎖等の経営者として最も心の痛む仕事をしました。
最後は、インドネシアで9年間、現地上場企業の経営をしました。通算21年間の海外駐在でした。若い頃より経営の実践に従事しました。帰国後4年間、本社で執行役員として海外事業全体の経営責任を担いました。
日本に帰国後は以前の海外事業の思想と本社の経営方針等の方向性の違いから退社し、約半年間のリフレッシュ期間を経て(日経ビジネスONLINEの連載記事などの執筆活動等をして)、お声掛けをいただいた森永製菓へお世話になりました。
前職よりも規模がこの大きい業界と組織で日本の商品と経営が世界でも通用する事を証明したく、またその事が海外市場の進出に二の足を踏んでいる日本の産業界へのエールになると考え入社しました。化粧品も食品も生活者を相手に、BtoCビジネスであり、ビジネスとしては大きな違いはなくこれまでの海外事業経験が活かせることも選択の理由です。
ガイド:海外事業に携わるきっかけは何ですか?
山下氏:大学卒業の際の就職活動中も海外で働きたい旨を伝えていたので、営業等、数年間国内で修業した後と考えていましたが、入社2年目で辞令が下りるとは思いませんでした(笑)。買収した現地企業のトップマネジメントとして派遣されたので、毎日が経営の勉強でした。報告や相談等の提出先が当時の副社長でしたので今考えると大変でしたが非常に恵まれた環境にいたと思います。