小学4、5年生のクラスでは特に音楽に注意を払うよう指導されていますね。
(C) TOKIKO FURUTA
牧>小さい子たちは音楽の間がわからないので、本人は合ってるつもりでいる。それにまだ音よりも順番だったり、自分が気分良く動いていることの方に意識が行くことの方が多い。けれど、幼い内から音楽を聴いて、演奏の呼吸を意識しないと、大人になってからでは間に合わなくなってしまう。そこを理解させるためにも、4、5年生のクラスでは、特に音についてうるさく言います。お教室もみなさん違いますから、音の取り方も違う。何年かやっていく内に、やっと揃っていく感じです。
かつてA.M.ステューデンツで学んでいた生徒さんで、今は先生になってご自分のお弟子さんを何人もA.M.ステューデンツに通わせてい
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る方がいます。彼女が言うには、A.M.ステューデンツで学んでる子は、全員音楽で手がパッと揃うそうです。何もしなくても、音楽とステップを与えるとちゃんと揃って踊れると言う。それは、音と同時に正しい位置に持っていっているから。音楽を聴いてから足を出す子と、音楽と一緒に足を出す子ではあきらかに違ってくる。だから、次回もオーディションに出そう、その次も出そうと、どんどんA.M.ステューデンツに自分のお弟子さんを入れてくる。そうすれば、お教室の発表会のとき全員キレイに揃っているからと(笑)。
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プロにしてもそう。新国立劇場バレエ団はコール・ド・バレエの美しさに定評がありますが、それは音楽です。揃えなきゃいけないと言って、形で覚えさせてもムリですよね。脚は合ってたけど手が遅れた、なんていうのもダメで、手脚が合ってないといけません。
私は現役時代に師匠であるアレクサンドラ・ダニロワ先生から、バレエは脚はリズム、手は歌であり心だと教わりました。脚が音とズレているようでは、もう表現はできないですよね。動いたときに音楽はもう先に行っているから、全く違う意味の表現になってしまう。脚と手の両方が音と一緒にとれることが大切なんです。
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次回は、後編をお届けします!