企業のIT活用/クラウド活用/導入

ビジネスに生かす!クラウドソーシングの基礎知識(2ページ目)

発注側と受注側、双方のニーズやウォンツによりマッチした取引先を見つけることができるクラウドソーシング。1500億円近い市場規模となることが予想されています。ネットを通じ、自社にないリソースをすぐに調達できるメリットをビジネスにどう生かせばいいのか。また、サイトの選び方とは。利用する際のポイントとともに、代表的なサイトの特徴を簡単にまとめました。比較しながら、取引先の選択肢を広げてみませんか?

長谷川 渉

執筆者:長谷川 渉

企業のIT活用ガイド

クラウドソーシングサイトの特徴と選び方

クラウドソーシングサービスを提供する企業は国内でも200を超え、「クラウドソーシング」というキーワードで検索すると、多数のサイトがヒットします。これだけあると、どのように選べばいいのか、逆に迷いが生じてくるほどの数ではないでしょうか。

アウトソーシングとクラウドソーシングの大きな違いは、その規模感です。一般的なアウトソーシングでは、経理や法務など、専門の業者を選定して継続的に業務をまるごと任せ、組織のスリム化や固定費の流動費化、コストダウンを図るケースが多いのですが、クラウドソーシングでは、受注側の大多数を個人事業主や中小企業が占めるため、小規模なシステム開発やホームページ制作、ロゴデザインなど、自社にないリソースを必要に応じて補う形で活用されます。

依頼内容をサイトに載せるだけで人材の募集ができる

依頼内容をサイトに載せるだけで人材の募集ができる

依頼内容をサイトに掲示するだけで、専門的なスキルを一時的に補完できるメリットは魅力的ですが、そのためにも、まずは依頼したい仕事が、クラウドソーシングに適しているかを見極める必要があります。ポータルサイトの開発など、デザイン・ライティング・撮影等とプロセスを分けられる業務であれば、管理の手間は生じますが、プロセスごとに細分化して発注するのも手です。

その際、仕事の内容が、翻訳や動画制作、音声コンテンツの作成など、特殊なスキルを要する業務なのか、そうでないのかによって、選択対象とすべきサイトが異なります。特殊な業務の場合は、特化型のクラウドサービスを利用するほうが、早くて満足できる結果が得られやすいからです。以下に代表的なサイトとその特徴についてまとめました。

【特化型クラウドソーシングサービスの例】
●動画制作に特化したクラウドソーシング「Viibar(ビーバー)」
https://viibar.com/

●翻訳に特化したクラウドソーシング「conyac(コニャック)」
https://conyac.cc/ja/translators

●音声コンテンツに特化したクラウドソーシング「Voip!(ボイプ)」
http://voi-p.com/

一方、制作やデザインを単発でお願いしたい場合や、ライティングやテープ起こしなど、比較的誰にでもでき、特に自社でやる必要性のない業務を大量にこなしてほしい場合は、いわゆる総合型クラウドサービスから選びます。

サイトによってサービス内容が大きく異なることはありませんが、仕事全体の流通量・情報量が少ない、古いところは避けたほうが無難です。有名で利用者が多く、BtoBにも力を入れているのは、以下の2サイトです。

●ランサーズ:http://www.lancers.jp/

取り扱い分野・利用者数は日本最大級。ライティング(プロジェクト方式)・ネーミング(コンペ方式)の仕事が多いようです。ロゴ制作やバナー制作といったことを依頼する「コンペ方式」と、サイト制作やシステム開発などを依頼する「プロジェクト方式」があります。また、テキスト入力などの簡単な作業には「ランサーズタスク」が向いています。

●クラウドワークス:http://crowdworks.jp/

デザイン系の仕事が多く、「コンペ方式」と「プロジェクト方式」のほか、アンケートやデータ入力といった単純作業の依頼に向いている「タスク方式」があります。

他にも、ここ1~2年で数々のサイトが立ち上がっていますが、ビジネスで活用できそうなサイトしては、人材派遣で有名なパソナグループの会社、パソナテックが運営するJob-Hub(ジョブハブ):https://jobhub.jp/ 、イラストやデザイン関係に強いCrowdGate(クラウドゲート):https://www.crowdgate.co.jp/match/ などが挙げられます。

発注すれば利用料が発生しますが、いずれも登録は無料。登録してみて、どういう内容の発注が多いのか、どのような発注にどのぐらい人が集まっているのかをウォッチすることによって、活用のイメージが掴めるかもしれません。
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