家庭の経済事情を優先した奨学金制度が充実
東洋大学の独自奨学金の特徴として、成績優秀者のためのものよりも経済事情を優先した制度が充実している点がポイントでしょう。<その他の東洋大学独自奨学金>
・東洋大学 第1種奨学金(成績優秀者) 30万円給付
・東洋大学 第2種奨学金(経済的困難者) 授業料半額給付
・東洋大学 第3種奨学金(家計急変者) 授業料半額給付
・甫水会奨学金(経済的困難者) 月額3万円給付
さらに、海外留学促進奨学金制度も設けており、TOEICやTOEFLの点数に応じて4万円~150万円を留学希望の自学生に給付する支援制度を整えているようです。
当然、これらの奨学金は昼間部だけでなく夜間部の学生も対象となっているので、学ぶ意欲の高い学生に対して広く門戸が開かれていると言えます。
1ページ目で紹介した独立自活支援推薦入試で入学すると、日中働いたうえ、夕方6時頃から9時半頃まで授業を受けるので決して楽ではない毎日となるでしょうが、保護者の負担を最小限度に抑えて自力進学できる制度です。
ではなぜ、東洋大学は、このような独自の奨学金制度をつくったのでしょうか。
奨学金に引き継がれる創立者の精神
東洋大学の歴史は、1887年(明治20年)に井上円了が創設した「哲学館」に始まります。井上円了が掲げた創立の精神に「余資なく優暇なき者のために。」とあり、学ぶ機会に恵まれない人々に、その機会を提供することが建学の柱となっています。夜間部を設ける大学が年々減少し続けるなか、時代に逆行するかのように、夜間部(第2部)の充実に力を注ぐ東洋大学の姿勢に、今なお創立者の精神が引き継がれていることがわかります。
きっかけはリーマンショックと東日本大震災
「他大学でも同じようですが、2009年頃から合格発表後の学費納付を待って欲しいという相談が増えてきました」(加藤氏)2009年といえば、前年9月のリーマン・ブラザーズの破綻を引き金に世界金融危機をもたらしたリーマンショックの影響で日本の景気も一気に冷え込んだ時期です。
さらに2011年の東日本大震災で多くの受験生や在学生が経済危機に直面している事態を受け、大学として取り組むべき方向性について議論が高まったそうです。
「他大学が夜間部を廃止するなか、逆に我々は6学部9学科に夜間部を拡充し、今では全私立大学夜間部学生の約5人に1人が東洋大学で学んでいます。創立者である井上円了の精神をさらに具現化する施策のひとつとして『独立自活支援推薦入試』の創設にいたりました」(加藤氏)
意欲の高い学生であれば、経済事情で大学進学を諦めるまえに、東洋大学の独立自活支援推薦入試を検討してみてはいかがでしょうか。