奨学金の「在学採用」と「予約採用」…7割が「予約採用」を利用

日本学生支援機構の奨学金を申し込むには、高校3年生の段階で予約する「予約採用」と大学進学後に申し込む「在学採用」の2つの方法があり、現在では7割近くの学生が予約採用で奨学金を申請しています。

予約採用は年に2回募集時期が設けられており、1回目に申し込んだ人は10月の下旬から結果通知書を受け取る流れになっています。

<予約採用>
1回目/高校3年生の6月頃に申請 → 10月下旬以降に決定通知を受け取る
2回目/高校3年生の10月頃に申請 → 2月下旬頃に決定通知を受け取る

奨学金利用者の大半が1回目の予約採用に申し込んでいるので、もう間もなく採用結果通知書を受け取ることになります。

進路変更があっても大丈夫

「地元の大学志望から県外進学に進路変更した」
夏休みに様々な大学のオープンキャンパスに参加して、当初の予定から進路が変わったという人も数多くいるでしょう。

「私立から国公立」や「県外進学から地元進学」への進路変更であれば問題ないでしょうが、逆のパターンとなればお金の計画が大きく変わってきます。

「予約採用で申し込んだ奨学金の種類や月額では不足してしまう」ことになり慌てる家庭がありますが、大丈夫です。ほとんどの選択項目は、これからの手続きで変更することができます。

まずは、予約採用で申し込んでから採用されるまでの流れを理解しましょう。

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奨学金の予約申込後の流れ


予約採用はあくまでも予約です。大学入学後に「進学届」という最終手続きを経て、奨学金の採用が正式に決まります。

この進学届時に予約採用時に選択した重要項目を変更することができるのです。

進学届は大学の奨学金担当部署である学生課などを通してインターネットで行います。

この流れは、大学、短大、専門学校ともに全て同じなので、変更できる項目をキチンと理解してください。

進学届で変更できる重要項目

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進学届時に変更できる重要項目


進学届で変更できる主な重要項目について簡単に意味とポイントを解説いたします。

(1)選択した奨学金の月額
一番慌てるのがこの項目でしょう。予約採用申請時に選択した奨学金の月額は進学届時に変更することができます。

(2)入学時特別増額貸与奨学金の金額

この奨学金は、毎月振り込まれる無利子の第一種、有利子の第二種奨学金とは異なり、入学初年度のみ借りられる一時金です。10万円から50万円の中から選択しますが、これも変更することができます。

(3)保証方式(人的保証/機関保証)
日本学生支援機構の奨学金を利用する際に最も注意すべき項目が保証方式の選択であると感じています。奨学金利用者の過半数が人的保証を選択しているようですが、この保証方式のポイントと注意点については以前の記事を参考にしてください。

奨学金のポイント「保証制度」の内容を理解すること

(4)有利子の第二種奨学金の利率の算定方式(固定方式/見直し方式)

保護者から最も質問が多いのがこの項目です。利用者の8割が固定方式を選んでいるようです。利率の算定方式のポイントと注意点についても、以前の記事を参考にしてください。

奨学金の返済利率「固定と見直し」どっちが得?


奨学金の貸与額選択のポイント~1年目だけ余裕を持った金額を選択~


日本学生支援機構の奨学金は、実質は学生ローンです。
奨学金が借金である以上、金額を少なくしたいという気持ちは当然のことです。

しかし、最も避けて欲しいのが「お金が不足する事態に陥る」ことだとも思っています。

授業料や生活費のためにアルバイトに没頭し過ぎた結果、単位を落として留年してしまう。

留年すると奨学金が停止されるので、最悪の場合、中途退学ということもあり得ます。中退してしまうと、そもそも進学したこと自体を後悔しかねません。

そのため、入学1年目だけは余裕を持った金額を選択することをお勧めしています。

夏休みなど長期休暇にアルバイトを集中させるなど、学業と両立させながらの学生生活を1年近く経験すれば、おおよその生活サイクルが見えてくるはずです。

そのうえで、翌年の奨学金の継続手続き時に貸与額を減額すればいいと思います。

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奨学金の金額選択のポイント


日本学生支援機構の有利子奨学金は在学中に利息は発生しないので、多く借りていたからと言って損も得もありません。

ちなみに、奨学金の貸与額は、継続手続き時だけでなく、大学を通していつでも変更することができます。

奨学金の借り過ぎはよくありませんが、大切なことは、学業を続けるための適正額を借りることだと思います。

入学までに親子で改めて話し合って欲しい

10月下旬から11月上旬にかけて奨学金の決定通知書を受け取ってから、実際に入学するまでに4ヵ月ほど時間があります。

それまでの間に、日本学生支援機構奨学金の選択項目について改めて親子で話し合って欲しいと思います。

特に保証方式の変更は「進学届」が最後のチャンスです。それぞれの選択項目の意味と注意点を親子で理解し、上手く奨学金を活用して欲しいと思います。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。