大学生の奨学金/奨学金の基礎知識・トレンド

学費で大学進学を諦める前に~夜間部という選択~(3ページ目)

大学進学には、住宅購入に次いで大きなお金が掛かるといわれています。「大学には進学させたいが、経済的に厳しいので諦めるしかないのか……」、そのような時は、学費の安さが魅力の夜間部という選択肢もあります。昔に比べて夜間部を持つ大学は少なくなりましたが、今なお2万人以上の学生が夜間部で学んでいます。今回は学費を抑えて進学する夜間部にスポットを当ててみます。

久米 忠史

執筆者:久米 忠史

大学生の奨学金ガイド


夜間部は就職に不利?

「夜間部は就職に不利ですか?」 最も多いのがこの質問です。

なぜ、そう思うのか理由がわかりませんが、学生よりも保護者が思い込んでいるケースが多いように感じます。

解説画像

夜間部の魅力

昼間部の学生に比べて、夜間部の学生の就職が不利に扱われることは絶対にありません。そもそも卒業証書に夜間部・昼間部が記載されるわけでもなく、講義内容や取得資格も昼間部と同じです。

また、昼間部に比べて社会人学生が多いので世代を超えた交流を通してコミュニケーション能力を高める環境が整っているといえるでしょう。

確かに昼間働き、夕方から夜にかけて学ぶということは、体力的にもキツイものがあるでしょうが、それ以上に得るものが多いのが夜間部だと思います。

フレックス制と夜間部は別もの!!

夜間部が減少するなか、それまで夜間部を設けていた多くの大学が「フレックス制/昼夜開講制」へと移行しました。

フレックス制を簡単に説明すると、自分の生活スタイルに合わせて都合のよい昼夜の講義を選択するというものです。

まず、フレックス制の学費は昼間部と変わらないので、これまで説明してきた夜間部(2部)とは全く異なるものだと理解してください。

フレックス制が導入された背景には、社会人学生の確保や夜間部で持っていた定員枠数を減らされたくない大学側の思惑など、さまざまな事情が指摘されていますが、はっきりと言えるのは学生にとって経済的メリットは少ないということです。

少子化の影響を受け全国的に大学運営が厳しくなるなか、今なお学費が安い夜間部を維持する大学のお蔭で、2万人を超える大学生が学びの機会を得ています。

家庭の教育費負担が大きな問題となっている今こそ、夜間部本来の存在意義が求められる時代になりました。

お子さんの志望進路が夜間部にあるならば、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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