結婚15年前後の離婚は芸能人夫婦にも多い
夫婦にとって結婚15年目頃は「危機」ともいえる時期です。わだかまりを感じていないか、じっくり話し合ってみましょう
過去の例では、松田聖子・神田正輝夫妻で結婚12年、花田勝・美恵子夫妻で13年、松平健・大地真央夫妻で13年、清原和博・亜希夫妻が14年、三谷幸喜・小林聡美夫妻で16年、菊池桃子・西川哲夫妻で17年などなど。結婚生活15年前後は「夫婦力」の試練の時期、と言っても過言ではなさそうです。
「結婚15年」は夫婦が「危機」に直面する時期
実際に結婚15年前後は、家族心理学においても最も難しい時期の一つです。子どもが思春期を迎え、手はかからなくなっても、メンタル面での葛藤は激しくなり、親の苛立ちは高まる一方……。小学生までは素直だった子どもに「うるさい!」「ほっといてよ!」と反抗されるなかで、子育て中心に生きてきた妻は、「今まで何のために頑張ってきたのだろう?」とアイデンティティに迷いを感じがちです。年齢的には更年期に近づき、体調や感情の波も激しくなる年代に差し掛かります。
そうしたなかで家庭を振り返ると、実親や義親の老化、子どもの学費、家のローンなど、気苦労の多い問題は山積みです。夫婦の話し合いが必要な時期なのに、夫婦の関係が微妙であるとそうもいきません。
さらには、自分たち夫婦もこの時期には「中年の危機」を迎え、大変な思いを抱えがちです。体の衰えを感じ始めるなかで、会社では管理職として難しい仕事を抱え、再就職も難しい年代なのにリストラの不安は増える一方。家計を支える者としての重責も増えていく、このように苦しい葛藤を感じています。妻の側も、中年期になるとそれまでの仕事を辞めて家庭に入る方、あるいは子育ての一段落を機に仕事を始め、新しい世界を築く方もいるでしょう。家庭内外での役割が増えれば、それだけストレスも増えていきます。
夫婦としてもっと向き合いたいのに、気がつけばお互いの気持ちを受け止め合える雰囲気はない。渇いた心のオアシスを求めるようにさまよい歩いているうちに、異性、ギャンブル、アルコールなどの誘惑におぼれていく……。こうしたトラブルが火種となり、夫婦が破局に至るケースも少なくありません。
「15年目の離婚」の原因は、小さな不満の蓄積?
結婚3~4年頃の結婚初期の離婚の場合は、恋愛による熱愛の冷めたいわゆる「倦怠期」に不満を覚え、別れるカップルが少なくないものです。一方、結婚15年前後の中年カップルの場合は、長い年月を通じて夫婦関係の溝が深まり、ついに崩壊へと至っていくケースが多いと思われます。ところで夫婦の信頼関係は、日常における小さな不満の積み重ねによって壊れていくものです。子育てに追われている妻を気遣わずに、飲み明かして朝帰りする夫。疲れている夫を気遣わずに、「あれやって」「これしてよ」と要求ばかり突きつける妻。「いただきます」も言わずに食べ始め、味に文句をつける夫。子どもたちと密着し、夫を排除して「母子同盟」を組む妻……。
「どちらのせい」と原因探しをしても意味はなく、夫婦間で生じた小さな不満を、その都度解決できなかったこと(一方が攻撃的に話し、一方は耳を閉ざす。真剣に取り合ってもらえず、話し合いをあきらめる。こうしたコミュニケーションの問題が大きい)が、少しずつ夫婦の溝を大きくし、十数年かけて亀裂を決定的なものにしてしまうのです。
夫婦関係を維持するための3つの心がけ
これらのことの裏を返せば、夫婦はお互いに次のようなことを心がけることで、夫婦関係を修正しながら、維持していけるのではないでしょうか。- 「小さな不満」を放置せず、その都度、冷静に話し合い、双方が納得する答えを探る
- 「思春期の危機」と「中年の危機」が重なる時期には、家族の心も夫婦関係も不安定になりやすいと心得ておく
- 中年期には、家庭内に難しい課題が増えるため、夫婦の話し合いと意見の一致、協力が不可欠になると心得ておく
夫婦関係は、2人の力で育てていくもの。どちらかが権勢をふるうばかり、どちらかが手を抜くばかりでは、信頼関係はもろくなり、何かのトラブルをきっかけに崩壊してしまいます。離婚という選択に心を決める前に、夫婦のコミュニケーションをもう一度じっくり見直してみませんか?
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