大里
毛穴の汚れもキレイに
先生
頭皮に限らず体のニオイは気になりますよね。広い意味でエチケットの一部とも考えられます。特に日本人はニオイに敏感で特に女性は敏感です。体のニオイとして有名なのはワキガですが、これは微妙な問題なのでなかなか周りの人も指摘出来ずにいたりします。
頭皮も同じでやはりニオイは気になります。ニオイの原因は主に皮膚から分泌される皮脂や油っぽい汗(アポクリン腺由来の汗)に含まれる脂が、皮膚の表面に住む無害な常在菌により分解され独特の臭気を持つ低分子脂肪酸になるためだといわれています。この無害な細菌(詳しくはカビ)を抑える薬品が含まれるシャンプーやせっけんがあります。某製薬の製品が有名ですね。変わった名前だな、と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実は常在菌(カビ)の名前が「マラセッチア・フルフル」というためそれから命名したのです。体のニオイが気になる方はボディーソープもシリーズにあります。特に足のニオイで困っている方には朗報だと思います。医学的にも根拠がある製品ですね。
大里
シャンプーについて本音でトーク
サラサラな美髪をつくるには
シャンプーについては都市伝説、大げさに言えば宗教裁判では無いか、というほどの思い込みが信じられています。その一つがシリコンであり、石油系という言葉でしょう。どちらもイメージ的にもうすでに悪者だと社会では定着してしまい誰もその根本を検証しません。
シリコンや石油系成分が悪者だとする根拠は、工業的な成分や人工的に合成した成分は自然界に自然にある成分(たとえば植物由来の成分など)よりも格下で体に良いはずがないという思い込みから生じたのではないかと私は考えています。
シリコンや石油系の成分はきっと水に溶けずに毛穴につまってしまい、皮膚呼吸が出来なくなるし、毛穴に固くフタをしてしまうため、これから伸びようとしている毛を押さえつけてしまい毛の伸びない毛根にしてしまうというイメージです。でもこれはまさにイメージ(思い込み)なのです。
シャンプーや化粧品など皮膚の表面に触れる製品に含まれるシリコンは皮膚への刺激の無いシリコンでほとんど体に吸収されませんし、ましてや毛穴をふさいでしまうこともありません。まあ無害と言い切ってしまってもよいでしょう。シリコンが入っている目的は毛の表面をコーティングして毛羽立ってしまった(痛んだ)毛をサラサラの毛に変えるためです。本来は髪の毛自体をサラサラに生まれ変わらせるのが良いのでしょうが、すでに体の外に出ている毛は生きた細胞ではないため、新陳代謝してサラサラの毛に生まれ変わることはできません。これはどんな薬品を使っても毛自体が自分でサラサラに変わることはできないのです。そこで触感だけでもサラサラにしようとシリコンで髪の毛をコーティングするという発想が出てきました。これはなかなか頭の良い方法です。櫛通り指通りも良くなりますし、触った感じもサラサラで気持ちいいです。
石油系も洗浄力が強いという点では問題になるかもしれませんが、石油系だからダメということではありません。でも一般的にはアミノ酸系のほうが洗浄力は弱いのでやさしい感じで良いでしょう。
大里
オイルシャンプーはオイルで汚れを取るので汚れが落ちやすく、また乾燥しがちな頭皮にはオイルで洗うことにより保湿ケアもできると思っていますが、先生はどうお考えですか。また毛髪治療の専門家として、オススメなヘアケアなどもあれば教えてください。
先生
オイルシャンプーも同じイメージ戦略の問題です。親油性の成分を使うという意味で使われているのでしょう。医学的な見地でオススメするとすれば、前述した某製薬会社の商品はオススメできます。しかし、化粧品と一緒で自分に合うか合わないかが絶対的な評価基準です。まずはサンプルなどで試してみること。そして合う製品で丁寧に洗うこと。シャンプーとリンス、トリートメントは通常は同じメーカーの同じシリーズでそろえること。これらを守るのがヘアケア製品の原則です。
大里 他ではなかなか聞けないようなかなり突っ込んだお話を伺うことができました。とても楽しいお時間をありがとうございました。
ラグジュアリー感漂うクリニック
http://www.trmc-hr.jp
東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー7階
Tel:03-5218-2202
診療時間 10:00-19:00
休診日 土日祝(第3土曜は診察)
アクセス 東京駅日本橋口より直結、大手町駅B7 出口より直結