美容医療/薄毛・育毛系美容医療

本当に知りたい薄毛、白髪、ヘアケアのお話

秋は薄毛の季節!?白髪は治せる!?そんな毛髪の疑問を、毛髪の専門医師と毛髪診断士が対談形式でお答えします。目からウロコの情報に必見です。

大里 有里砂

執筆者:大里 有里砂

美容医療ガイド

秋は抜け毛が多くなる季節と言われますが、最近では男性だけではなく薄毛に悩む女性も増えています。今回はそんな薄毛のお話から、今流行りのノンシリコンやオイルシャンプーなどのヘアケア情報までを毛髪の専門家であるドクター峯岸×毛髪診断士大里の対談でお届けします。

ドクター画像

何でも相談しやすい雰囲気の峯岸先生

峯岸祐之先生プロフィール
東京大学医学部形成外科にて活躍後、当時日本最大手の美容外科クリニックにて指導医兼医療植毛部長として活躍。美容医療の最前線で積み上げた圧倒的な症例数と確かな技術で多くの美容外科手術を執刀する傍ら、日本臨床毛髪学会評議員として発毛・植毛治療など薄毛に対する再生医療分野の日々の臨床に努める。
専門分野、資格
・ 日本臨床毛髪学会評議員 ・日本形成外科学会専門医 ・日本美容外科学会会員 ・ 日本皮膚科学会会員 ・国際形成外科学会会員 

大里 有里砂プロフィール
長年美容クリニックで働いていた経験から、クリニックでの薄毛治療に詳しく、最近ではヘアケア製品に関わる仕事も多く、昨年毛髪診断士の資格を取得

抜け毛、薄毛について

大里 
秋は抜け毛が多くなる季節ですが、これは夏に紫外線やエアコンの乾燥などのダメージを受けたことの影響などもありますが、他にはどのような理由が考えられますか。

先生
頭皮の洗い過ぎと季節的な脱毛が重なるためです。
頭皮の洗い過ぎについては夏の時期は清涼感を求めてトニック系やミント系などのスースーするシャンプーを好んで使っていた方も多いと思います。また、夏は他の季節より頭皮をしっかり洗われていた方も多いでしょう。
ただ洗い過ぎには要注意です。本来の肌の保護成分の役割の皮脂成分も洗い流してしまい、かえって皮膚のバリアとしての働きを障害してしまうため肌に負担がかかります。
季節的な脱毛については夏が終わる時期に抜け毛がふえて不安という方も多いですが、心配ありません。人間も動物の一種なので、実は動物ほど明確ではありませんが毛の生え替りの時期があり、それがどうやら夏から秋にかけてと言われています。ですから時季的な自然なものの可能性があるのであまり不安がらずに日常のヘアケアをしていれば大丈夫です。

大里 
先生のクリニックで受けられる最新の薄毛治療などはどういうものがありますか。また薄毛治療に来られる方の男女比や年齢層なども教えてください。

治療

自分の髪の状態を知るのが大事

先生
当院では、薄毛の症状に合わせてお薬の治療から頭皮に発毛成分を注入する治療、毛根を移植する植毛治療までおこなっています。
植毛治療は毛のまばらなところにご自分の毛を移植する方法で手術になります。ただ手術はやはり抵抗がある方も多く、出来れば手術以外の方法を希望される方も多いので、毛の成長と発毛を促進する『成長因子』というお薬を頭皮に浸透させる当院独自の発毛治療SAIMO®(サイモ)という治療を行っています。

当院に来られる患者さんは女性が多く、男女比は 1対9です。通常薄毛というと男性のイメージがあり、一般的な皮膚科や頭髪を扱うクリニックでは男性の比率が通常多いものですが、当院は女性を専門にしていることもあり、口コミや雑誌の取材記事を見て来院される患者様も多く女性の比率が高いのです。年齢層は30代から70代と広く分布していますが、やはり30代~40代の方が最近増えています。

大里 
自宅でのケアとして最近私が注目しているのが、赤色LEDを使った薄毛ケアです。男性には効果が高いと言われている飲み薬プロペシアですが、女性の場合はホルモンの関係で飲むことができませんよね。ミノキシジルなどの外用もありますが、その他の方法として赤色LEDを使用したケアに興味があります。先生は赤色LEDの薄毛ケアに関してはどのようにお考えですか。

赤色LED

赤色LEDが薄毛に効果的?

先生
赤色LEDは頭髪成長促進効果は十分期待できます。もともとLEDを生物に利用するというのはアメリカのNASAの研究です。宇宙空間で植物を成長させるために必要な方法としてLED光源を使用したらどうか?という考えから来ています。具体的には赤色、黄色、青色のLEDを目的に応じてあてます。その中で青は制菌効果が期待でき、赤色光線は成長促進効果が期待できます。これは赤色の光線がミトコンドリア内のチトクロームを刺激することで成長促進効果があるからと考えられています。

大里 
秋にしておいたほうがいい特別なケアなどがあれば教えてください。

サプリ

オリジナルサプリOMIAS

先生
秋に限定したヘアケアというのは特にありませんが、夏に痛んだ髪をケアするという意味では痛んだ髪を保護し内側まで浸透するトリートメントやリンスで十分にケアしてあげることですね。ただ、トリートメントなどの外側からのケアだけでは不十分なので、髪を内側からケアすることをおすすめします。
キレイな髪をつくるには、髪の成長に必要な栄養素を十分に摂ってあげることが重要です。そのため、ビタミンや亜鉛などの栄養素をサプリメントなどで補ってあげることが重要です。日本人女性の髪に必要な栄養素のみを厳選配合しOMIAS(オミアス)というサプリメントも当院では提供しております。

大里 
白髪

気になる白髪は治せるの?

次に白髪についてですが、有効的な治療などはまだ確立されていません。予防として、黒髪を作るメラニン色素の産生に関わる、チロシンを多く含む食品のアジ、サバ、イワシや大豆製品を食べる。そしてチロシンをメラニンに変える酵素を活性化する銅イオンを含む甲殻類のエビやカニなどを取るなど食生活で気をつけることはできそうですが、他にも特別な予防方法などがあれば教えてください。

先生
白髪に関してはあまり治療に直結した臨床研究が進んではいません。これは「毛染め」という究極の解決手段がすでに存在しているからでしょう。基礎的な研究から髪の毛が伸びるメカニズムと髪の毛の色がつくメカニズムは別にあるということは分かっています。肌のメラニン色素などと考えは同じで、髪の毛が伸びるところに周りから黒色の色素が加えられて黒髪が出来るのです。そのため白髪の治療としてはメラニン色素が出来やすくしてあげることが必要です。銅イオンを含むサプリメントで補うのも良いですし、当院ではSAIMO(サイモ)の治療の際、メラニン細胞の刺激作用のあるb-FGF や プロスタグランジン製剤を状態によって加えたりしています。
でも正直「これだ!」という決定的な方法はまだ無いですね。

次のページでは頭皮のニオイケアや
ノンシリコン・オイルシャンプーについてお話します
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