ノルウェー/ノルウェーの観光・世界遺産

ノルウェーのフィヨルド観光、ウルヴィーク村への旅(2ページ目)

ノルウェーの5大フィヨルドに数えられるハダンゲルフィヨルド地帯。「ハダンゲルフィヨルドの真珠」と讃えられる小さな村ウルヴィークには青々としたフィヨルド、澄んだ空気と雲が漂う山々とそれを覆う氷河、みずみずしいリンゴやスモモの果樹園が一面に広がっています。ウルヴィーク村での1泊2日の旅の記録をまとめました。

鐙 麻樹

執筆者:鐙 麻樹

ノルウェーガイド


フィヨルド奥地で見つけた、100歳の小さなカフェ

カフェ

自然の営みが感じられる雑貨で装飾された「オーサ・カフェ」 Photo:Asaki Abumi

カフェ

山小屋風のオーサ・カフェ Photo: Asaki Abumi

翌朝、すっきりと心地よく冷えたフィヨルドの風とともに目覚めました。ビョーンさんがホテルから車で連れて行ってくれたのは10キロメートル離れた場所にあるさらに小さな規模のオーサ村。ホテルが経営する「ハダンゲル・ベースキャンプ」というキャンプ場が位置しています。ビョーンさんたちはホテルからここまで旅行者を車で日ごろから送迎。まず立ち寄ったのは「Osa Kafeen(オーサ・カフェ)」という小さな山小屋風のカフェでした。

ノルウェーのカフェ

カフェでいただいたベルギーのパンケーキ Photo:Asaki Abumi

オーサ村は高い山々とフィヨルドに囲まれており、かつては水力発電工事のために多くの労働者が滞在していたそうです。労働者の休憩所として機能していたカフェは、約100年の歴史を誇るとか。現在はオーサ村の観光案内所、キャンプ場のインフォメーションセンター、またカフェ&レストラン&ショップとして観光客や地元の人々に活用されています。

ホテル経営者にはベルギー出身者が多いため、ノルウェーの自然と共同するライフスタイルとベルギー文化が合わさった空間を提供中。ベルギーのパンケーキには、地元の自然から採れた食材を利用したジャムをのせて味わいます。お値段はパンケーキ2枚にドリンク(コーヒーかお茶)付きで1人75ノルウェークローネとお手ごろ価格!

中には魔女が!? 人気アクティビティは「洞窟への冒険」

トンネルツアー

オーサ村の人々に「トンネル」と呼ばれている、現在はクローズしている洞窟 Photo:Asaki Abumi

トンネル

びっくり! 中で出迎える木彫りの魔女 Photo: Asaki Abumi

キャンプ場のモットーは「自然に回帰する」ことだと語るビョーンさん。街での忙しさを忘れ、自然の中での活動、ヨットや登山、山菜狩りなどのアクティビティ(有料)を訪問者に提供しています。自分たちで火をおこして焚き火をしたり、木々でテントを作ったりする原始的なアクティビティもあるとか。特に人気があるひとつが「トンネルへの冒険」。水力発電計画が断念されたときに、そのまま放置されていたというトンネルが洞窟として残っています。現在はビョーンさんたちホテル経営陣がアクティビティの一箇所としてガイドツアーをしているそうです。洞窟の中は真っ暗で、焚き火を手にして注意しながら歩いていきます。まさに夏の夜の「肝試し」にピッタリの場所で、団体客によく利用されているそうです。洞窟の奥には、なんと一人の木彫りの魔女が立っており、訪問者を毎夜驚かせています。

ノルウェーの自然に囲まれて、特別なホテルで1泊を

ノルウェーの特別なホテル

ゲルをイメージした宿泊施設ユルト。ノルウェーの伝統雑貨と内部のインテリアが自然とマッチしている Photo: Asaki Abumi

ノルウェーのホテル

焚き火もできるユルト。自分たちで調理をして生活をする Photo: Asaki Abumi

ビョーンさんたち経営のウルヴィーク村にあるホテル本店も人気がありますが、さらに予約が絶えないというのがオーセ村にあるキャンプ場の宿泊施設。テントを持ち込んでキャンプする人のほかに、モンゴルの遊牧民の家屋ゲルを再現したユルトが大人気だそうです。中を覗いてみて納得。ノルウェーの雑貨とモンゴルの家屋が上手に組み合わされており、特別な雰囲気をかもし出しています。どこのホテルともかぶらないこの特別感、仲のいい仲間や家族と一緒に和気あいあいと次に来た時に泊まってみたいなと思いました。自然の癒しオーラがたくさん詰まったウルヴィークとオーセ村。自然との付き合いを大事にする地元の人々との交流で、日々の疲れが浄化されたような気がします。

<DATA>
Strand Fjordhotel(ストランド・フィヨルドホテル)
住所: Tyssevikvegen 70, 5730 Ulvik
大人1人あたりのホテルのおおよその宿泊料金:スタンダードシングル750ノルウェークローネ、スタンダードダブル1000ノルウェークローネ、ラグジュアリールーム1300ノルウェークローネ
Hardanger Basecamp(ハダンゲル・ベースキャンプ)
大人1人あたりのベースキャンプ場のおおよその料金:ユルト(ゲル)850ノルウェークローネ~
※2014年度の価格帯となります。

Desitnation Ulvik(ハダンゲルフィヨルド、ウルヴィーク観光協会)
■ウルヴィーク観光案内所の問い合わせメール:ulvikturist@ulvik.org
■ウルヴィークへのアクセス:ベルゲンかオスロから列車でVoss(ヴォス)駅へ。バスに乗り換えてUlvik(ウルヴィーク)まで約1時間
■ウルヴィークからロフトフース村へのアクセス:中心地の港からフェリーで「ノルウェー王室御用達、トロルの舌登山客へのおすすめウレンスヴァン・ホテル」
■フィヨルド観光を計画、「ノルウェー・ナットシェル」周遊チケットなどのお得なツアーチケットと宿泊先をセット購入するならフィヨルドツアーズ(Fjord Tours)のサイトが便利!

※1ノルウェークローネは2014年10月現在、約17.1円。おおむね17円前後で推移。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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