作品のヒントを見付けるために普段から心がけていることは?
我妻>何かするというより、ふっと入ってくることの方が多いですね。この作品の稽古が始まってからはすごく目を光らせてますけど(笑)、どちらかというとがっついてないときの方が新しいものに出会うことが多くて。がっつけばがっつくほど、パソコンで調べてみたりと、知識に偏るんです。何でもないときに“あっ!”と思ったときの方が、豊かな感じがします。
作品づくりで煮詰まったときのストレス解消法は?
2010年『煩悩カケル』
ph松田純一
実際作品づくりで考えすぎて詰まったときは、思い切って山に行った方が柔軟になれるような気がします。山といっても、実際に行くのは高尾山レベル。サンダルで登れる程度の高さなので、山が好きですって言うのが恥ずかしいくらいですけど(笑)。
でもやっぱり、緑があるところっていいですよね。頭でいろいろ考えてるより、外の世界にヒントが落っこちていることの方が多い。葉っぱの揺れだったり、水が流れてる様子、虫が動く感じとか。そういうものを見て、“そうそう、そういうことだったっけ”と気付く。そこで整理できることもあるし、自分の中だけで考えて頭でっかちになっていたのを、外に目を向けて少し一般化できることもある。自然界で起こってることを受けて、自分の感覚をもう一度リフレッシュする。そういうことができるという意味では、高尾山はすごく好きです。