作品のテーマ、根底にあるものとは?
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2011年『壺中の天地』 ph松田純一
霊的な考え方では、現世に対する未練ということになるんだろうけど、今回はそうではなく、魂が物質に変わってしまい、それがどう転がっていくかというのがテーマ。ひとが死んでお葬式をすると、魂も死んでどこかに行く。同時に世の中には赤ちゃんが生まれていたりと、エネルギーの循環が起こってる。命が途絶えたとされたものが、どういう経路、どういう流れを踏まえてまた戻ってくるか、というのが自分なりのテーマとしてあって。
ここ最近の悩みというのが、作品のテイストが似てきちゃうこと。三作品つくってきて、“私の好きな感じってこういう風なんだな”って固まってきたというか。それはそれでいいけれど、次は全く別の雰囲気でやりたい。麿さんの作品をみていると、毎回作品のテイストが違うように感じます。ああいう想像がつかないようなものをつくりたいし、“ああ、こういう感じね”とはならない方向に持って行きたいなと考えています。
麿さんから作品についてアドバイスをもらうことはありますか?
我妻>どの作品もそうですが、毎回本番の10日ほど前に総見があり、頭
2006年『天体のズー』
ph松田純一
最初にみせるときはすごく怖いですね。だけどそこで、ああそうだなって思うところを突いてくださる。自分が“ここ大丈夫かな?”と思ってるところってどうしても粗になってるから、“こうした方がいいんじゃない?”とひとつの方向性を提示してくださるのはとてもありがたいですね。ただ、そこに甘んじないようにしなきゃとは思っています。