作品の創作法をお聞かせください。
今回は、頭のシーンはこうで、次はこうなってーー、と順番につくっている訳ではなくて、ぼんやりとしていたイメージを形にした上で、じゃあこのシーンはここに持ってこようとか、後から組み立てている感じ。それらを繋いでいく上で、真剣に観る部分もあれば、肩の力を抜いて観る部分もあるような、いい意味での観やすさを持たせようというのは気をつけてるところです。
2011年『壺中の天地』 ph松田純一
リハーサルにはどのくらい時間をかけていますか?
我妻>壺中天公演はたいてい1ヶ月半くらいかけるのが普通です。今回は白馬の夏合宿があったので、ちょっと短くて8月初旬からはじめました。稽古はほとんど毎晩やっています。15時から18時まではつくりものの作業や確認稽古をして、19時から全員集まって作品の最初から通していく感じです。
楽曲はオリジナルですね。
我妻>オリジナルの音でつくるのは私にとっては初めての挑戦です。今回は3人の音楽家さんにお願いしていますが、音の頼み方も振付と同じ。こ2011年『壺中の天地』
ph松田純一
音楽家のひとり、築山建一郎さんには“骨のイメージで”と伝えました。私の中の骨のイメージというと、あまり深刻ではないというか、カラッとしてる感覚がある。それを踏まえていくつか音をつくってもらい、また“ここをもうちょっとこうしてください”とオーダーしたり……。音があってそこに踊りを合わせるやり方ではなく、“音がこうなら踊りはこうしてみよう”と互いを踏まえてつくっていく。その方が両方とも良く見えたりと、相乗効果が生まれる場合があるし、イメージの助け合いがあるのを感じています。
避けているのは、哀しい演技をしているときに思い切り哀しい曲をかける こと。哀しいシーンなら、むしろちょっと引いた音で突き放してギャップ をつくった方が浮き上がって見える。私はそちらの方が好きで、音楽と身