大駱駝艦のメンバーが自身作を発表する場である壺中天。
今回我妻さんが作品を発表しようとしたきっかけとは?
我妻>当人にやりたいという意思があれば、在籍年数にかかわらず壺中天(こちゅうてん)で作品を発表するチャンスがもらえます。私自身は壺中天フェスティバルやイベント的なものでちょこちょこ作品を上演していますが、壺中天で新作を発表するのは今回で三回目です。2006年『天体のズー』 ph松田純一
もうひとつのきっかけになったのが、最初に発表した『天体のズー』という作品。冒頭に肉の詩を読みながら世界を歩くシーンがあって、それが今回の作品の原点になっています。詩の内容は、肉だけで世界をつくり、肉のお家に住んで、お父さんもお母さんも全部肉でーー、というもの。発想としては、処女作ということでまだ世に出る前の痛い思いをしてないような、子宮の中にいるようなイメージがありました。時間が経った今、それをもう一度深く広げたいと思って……。
2010年『煩悩カケル』 ph松田純一
女性の身体が宿してるものってやっぱり強い。今回は智恵による逞しさではなく、肉の逞しさ、生きる強さ、身体内部の生命に向かう逞しさを表現したい。それに自分も女性メンバーの中で立場が上になってきていることもあり、女性ダンサーを総動員して作品をつくろうという考えに至りました。
壺中天にて