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次代を担う振付家賞受賞! 川村美紀子インタビュー(6ページ目)

二年に一度開催される振付家の登竜門・トヨタ コレオグラフィーアワード。先頃2014年度の最終審査会が開かれ、応募総数203組の中から選ばれた6名が作品を上演。川村美紀子さんが次代を担う振付家賞(優勝)及びオーディエンス賞を受賞しました。ここでは、W受賞に輝いた川村さんにインタビュー。受賞の心境と今後の活動についてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド

作品をつくっていてやり甲斐を感じる瞬間、楽しいと思う瞬間は?

川村>それが問題で、楽しいと思う瞬間がぱっと浮かばないんです。楽しくないのか、楽しいのか、やり甲斐って何なのか、全然わからなくて……。

毎回作品が終わるたび、穴に落ちてる気分になります、頑張って穴を沢山掘って、“ほらほら、こんな穴ができたよ!”って言って、なんだなんだってみんなが集まって来て、もっともっと沢山掘って、もっと穴が大きくなって、最終的に私が深い穴にひとり取り残されてる感じ。

この前歯医者に行ったんですけど、虫歯をガマンしすぎてすごく大きな穴を掘られたんです。自分にできた穴ってこういうことかって実感しました。やり甲斐って何なんでしょうね。自分の価値基準が低いのか、周りのひとが言うほどのものは感じないというか……。

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では、川村さんが最近やり甲斐を感じること、楽しいと思う瞬間は?

川村>スマートフォンを見ながら歩いてるひとに、自転車で走りながら“あぶないよ!”って言う瞬間(笑)。やり甲斐を感じますね。だけど、それでも気付かないひとっているんです。本当に世直しです。ああいうのって、ヘンな感じがするんですよね。コントロールされてるというか。

私もパソコンは好きだけど、楽しいからというのもあるし、生きていくためにお金を稼いだり、調べ物をするために時間を費やしてるだけ。あと、“私はスマフォ持ってないし!”っていう優越感に浸りたいというのもあります。それでみんながスマフォを捨て始めたら、つまらなくなってまたスマフォを持つかもしれませんけど(笑)。

ph

 

川村さんの目指すところとは?

川村>雑貨屋さんを開きたいってずっと思ってたんですけど、最近は雑貨屋さんならひとりでできるし、いつでも開けるのかなって考えるようになって……。ひとと関わるのは今しかできないかもしれないし、今はそこ に挑戦してみようと思っています。編み物もそうだけど、“こんなのできちゃいましたけど!”っていう感じ、何かつくっては“見て見て!”っていうことでしかコミュニケーションが取れない。ダンスや歌がないと、私、 ただの痛いひとになっちゃうんです(笑)。

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(C)bozzo

ダンスでこうしたいというものは、あまり思い浮かばないですね。ゲリラは広がっていく感じはします。カメラマンの方が声をかけてくれて、また改めて撮影してもらうことになったり……。でも舞台となると、どうなんでしょう。私がやりたいというよりも、今はいろんなひとのリクエストに応えているような気がします。

d-倉庫で枠をもらって、私もそれに乗って、お客さんが観に来たり、っていうのはある。でも自分がコレをやりたいからと劇場をおさえて、お客さんを連れてきて、っていうことができなくて。自主公演をしたことがないし、何でもやっていいよって言われたら怖いし、困ります。自分のやりたいことっていうのも大事なんでしょうけど、今はそこはさておき、最近は自分に何ができるのかっていうことを考えています。

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