待っていました、このアプローチ!
Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Makerの作品の一例です。一見良い意味で極々普通の(と言うかとても綺麗な)内羽根式のストレートチップですが、医学的に正しい靴の要素が、なにげなくふんだんに盛り込まれているのです。
一方で、「もっと歩き易い・動き易い靴が欲しい」がためにオーダーなされる方が、そろそろ増えて欲しいなぁ……とも私・飯野は思うのです。この種の靴への要望は正に靴の役割の根幹をなすものなのですが、残念ながら現状では、そのような思いに応えてくれる「受け皿」が、あまりに単層的な感が否めません。「健康」や「歩き良さ」を謳い文句にした紳士靴は、確かに数多く世に出ています。しかし「健康」への意識が強い故に、その種の靴はどうしても機能ばかりが優先され、デザインは二の次三の次で普遍性に欠けるものが主流。外に出るために欠かせない靴の筈なのに、デザイン故にその意欲が逆に減退する……。起きてはならないことですが、実際にはそんな寂しい事例も結構あるのではないでしょうか。
そんな現状に、まだ小さいながらも勢いの良い風穴を開けてくれそうなのが、今回ご紹介するKenji Hashimoto Orthopedic Shoe Makerの紳士靴です。アトリエがあるのは「楠公さん」こと湊川神社の目と鼻の先。そう、東京でも大阪でもなく、神戸です。 次のページはKenji Hashimoto Orthopedic Shoe Makerのオーダーの仕組みなど!