空手に必要な下肢を鍛える代表種目であるスクワットについて、前々回の記事「キング・オブ・エクササイズ スクワットを習得しよう!」でバックスクワット、前回の記事「蹴り脚強化エクササイズ!フロントスクワット」でフロントスクワットという二つのスクワット種目をご紹介しましたが、今回はこの「バックスクワット」と「フロントスクワット」の効果の違いについてバイオメカニクス的視点から解説してみたいと思います。

バックスクワット

バックスクワット

バックスクワット

バックスクワット
では、バーベルを背中側に担ぎ動作を行うため、フロントスクワットと比べ体幹が前傾しやすくなります。その結果、膝関節のモーメントアームと比べ股関節のモーメントアームの方が長くります。


モーメントアーム(またはフォースアーム、レバーアーム、トルクアーム):支点から力の作用線までの垂直距離。作用線とは、力の作用点を通り、力の発揮されている方向に無限に伸びる直線。)

股関節のモーメントアームが長いということは、股関節伸筋の強調を示しているため、股関節伸筋群大殿筋ハムストリングス)により効果的なエクササイズと言えます。

 

フロントスクワット

フロントスクワット

フロントスクワット

フロントスクワット
では、バーベルを胸側に担ぎ動作を行うため、バックスクワットと比べ体幹は直立しやすくなります。その結果、股関節のモーメントアームと比べ膝関節のモーメントアームの方が長くなります。

膝関節のモーメントアームが長いということは、膝関節伸筋の強調を示しているため、膝関節伸筋群大腿四頭筋)により効果的なエクササイズと言えます。

 

空手のどの局面で役立つか?

バックスクワットでより効果的に鍛えることができる股関節伸筋群は、股関節伸展(構えた状態から脚を後ろに送る)の動きを行いますので、後足で床を蹴り前方に移動する動作、突きを出す際に後足で床を蹴る動作で効力を発揮します。また、後ろ蹴りの蹴り脚はこの股関節伸筋群によって動作(膝を伸ばす動作は膝関節伸筋群)を行います。一撃必殺の突き・後ろ蹴りを目指すなら、バックスクワットの方が効果的でしょう。

フロントスクワットでより効果的に鍛えることができる膝関節伸筋群は、膝関節伸展(膝を伸ばす)の動きを行います。また、大腿四頭筋群中の大腿直筋は股関節屈曲(腿上げの動作)も行いますので、蹴り技全般でこの大腿四頭筋群が使われています。一撃必殺の蹴りを目指すなら、フロントスクワットの方が効果的でしょう。

バックスクワットフロントスクワット共に、下肢筋群を鍛える代表種目ですが、上記の通り効果が変わってきます。空手ではどちらの筋群も重要になってきますので、普段のトレーニングにぜひバックスクワットフロントスクワット両方を取り入れて、一撃必殺の突き・蹴りを身につけてください


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