毎月、先月発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2014年7月分です。
【今回注目したニュースはこれ!】
あなたのサービス、国が判定いたします?!新「業界検定」に注目
明確な免許や資格制度、技能検定などがある分野とは違い、経験や能力を客観的な指標で測りにくいのが接客などの対人サービス産業の分野。その対人サービス産業を対象とした新たな検定制度創設に向けて、厚生労働省が動き出しました。
これは厚生労働省が今年2月に企画公募した「業界検定スタートアップ支援事業」の一環で、ここで同省は本事業の概要として以下を掲げています。
・「人材力強化」の必要性の一層の高まり
・ジョブ型労働市場等の拡大に対応した円滑な転職支援の必要性
・非正規雇用労働者の増加に応じた多様な働き方の実現支援の必要性
を背景として、経験・能力に応じた採用・処遇等がなされるために業界共通の能力評価の「ものさし」を整備する。
今回の報道では、この募集に応じた「流通」「健康」「学習教育」「派遣請負」の4つの業種が支援対象に選定され、2016年春の正式導入に向けて、既に日本百貨店協会、日本フィットネス産業協会、全国学習塾協会、日本生産技能労務協会の4団体と厚労省が共同で業界検定の策定作業に入っているそう。
今回の4業種の受検者としては、デパートなど小売業の販売職、学習塾講師、現場マネジャーなどが想定され、さらに今後は順次、他の業種にも広げていく予定だとか。
具体的な試験内容は未だわかりませんが、こうした「技能検定」が普及することで、個人の職業能力を客観的に指標する共通の「ものさし」となれば、雇用形態や経歴にかかわらず、適正な能力評価による採用が促進されたり、初期の職員研修コストの軽減などのメリットが期待されるのは確か。
ただし、このような「国のお墨付き」は、始めてはみたものの、さほど普及せず……という事態もしばしば起こりますので、まずは今後の取り組みに注目しましょう。