グラナダの見所1. アルハンブラのナスル朝宮殿
ナスル朝宮殿のコマレス宮、大使の間。天井部はさまざまな木材を複雑に組み合わせた木象嵌で、夜空を象っている
コマレス宮、アラヤネスの中庭。向こうに見えるのがコマレスの塔
13~14世紀、キリスト教徒による国土回復運動=レコンキスタに追われたイスラムの芸術家たちは、イスラム教最後の砦であるグラナダに集結していた。ナスル朝のスルタン(イスラム教国の王)たちは彼らの力を利用して数十キロ先から水を引いて美しい庭園を造り、これまでにない華麗な宮殿を建設した。これがナスル朝宮殿だ。
アルハンブラ宮殿のハイライトであるナスル朝宮殿は主に以下の建物から成立している。これらの建物への見学は入場時に時間指定されるので要注意。できれば朝一で入場してすぐにナスル朝宮殿に直行したい。
■メスアール宮
天井の木象嵌が美しいメスアール宮
■コマレス宮
ナスル朝の外交の中心として利用されていた場所で、各国の使者や大使たちをここで迎えたという。池を中心としたミニマルなデザインが美しいアラヤネス(天人花)の中庭、アーヴィングが『アルハンブラ物語』を執筆した大使の間(コマレスの塔)、バルカの間などから成る。
■ライオン宮
王宮のハイライトで、スルタンや王妃たちのプライベート空間だった。庭を4つに仕切るチャハル・バーグと12頭のライオン像が雄々しいライオンの中庭、ムカルナスの信じがたい造形が楽しめる二姉妹の間とアベンセラヘの間、天井からアーチ・柱までアラベスクで覆われた諸王の間、16世紀に増築されたリンダラハのバルコニーなど、アルハンブラ宮殿の真髄がここにある。
グラナダの見所2. アルハンブラ宮殿のその他の見所
ナスル朝宮殿の一部を取り壊して建設したカール5世宮殿。ナスル朝宮殿の場合、外観が簡素で内装が複雑。対してカール5世宮殿は外観はきわめて重厚で均整がとれているが、内装はシンプル
パルタル庭園
■カール5世宮殿
16世紀にキリスト教ローマ・カトリックの盟主となったハプスブルク家の神聖ローマ皇帝カール5世(スペイン王カルロス1世)が建てた新宮殿。ルネサンス様式でローマの円形競技場を思わす独特のデザインをしている。内部にふたつの博物館がある。
■パルタル庭園
噴水や水路、池、木々や花が美しい回遊式庭園。貴婦人の塔はアルハンブラ宮殿のランドマークのひとつ。敷地にはユーフス3世宮殿跡などもある。
■サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会
サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会
■アルカサバ
ナスル朝以前に建設された城壁で、周囲には軍事施設などが広がっている。アルバイシン地区やグラナダ市街、シエラネバダ山脈を望むすばらしい景色が楽しめる。
■パラドール・デ・グラナダ
サンフランシスコ修道院を改修したアルハンブラ宮殿敷地内唯一のホテル。