グラン・パ・ド・ドゥでは表現力が大事
アイ・コンタクト
男性の目を見るのは、とても恥ずかしいことですね。日本人女性には特に…。でもこれをやらないと物語になりません。パ・ド・ドゥでは女性と男性の愛の物語を表現しなくてはなりません。結婚式の場面や、男性を誘惑するような場面。その物語の主人公になりきることが大事になってきます。
物語の中心人物になるためには、その役柄を深く理解し、その役に入り込むことが必要となってきます。入り込めば、自然に男性の目を見て表現ができるようになります。
バレエの物語はどれも西洋文化を反映しているものが多いので、西洋人のオープンな表現が主流です。日本人の持つ侘び寂びの感覚ではどうしたって、表現できません。
じゃ、どうすればいいのよ! という声が聞こえてきそうです。まずは外国人が踊っているバレエの公演やDVDを観て、徹底的に目線や表情を研究してください。DVDでは、一時停止機能を使って、「これだ!」 と思う表情をまねしてみてください。普段のレッスンでも目線や、顔の向きなどを気をつけて踊るといいですね。そこに男性がいると想像しながら踊ると尚いいですね。
ポール・ドゥ・ブラ
通常のレッスンでは脚の動きにとらわれて、腕と顔の向きなどに注視した事がないかも知れません。ですが、物語の表現は上半身で行うものなので、どうしたって、ポール・ドゥ・ブラの動きの正確さが必要となってきます。ポール・ドゥ・ブラでは、目線は手先を追いかけ、顔の向きもそれにしたがって変化させる。このようなポール・ドゥ・ブラの基本的なテクニックがないと、どうしたって、表現までたどり着けません。
ポール・ドゥ・ブラはバーのプリエやフォンデュなどの、ゆっくりな動きで多用されます。ゆっくりな音にあわせて、脚と腕のコーディネーションのほかに、目線と顔の向きに気をつけてレッスンしてみましょう。ポイントは流れるように動かすことです。腕と目線、そして顔の向きが流れるようにコーディネートされて動いたら、もうそれだけで立派な表現となります。
普段のレッスンで、男性がそばにいると思いながら、そしてポール・ド・ブラを意識して踊るだけで、表現力がアップします。ぜひ実践してください。