「感情に振り回されない自分」を育てよう
感情のままに相手に接していないか、振り返ってみよう
また、感情が高ぶったときには、その感情に集中しないことも大切です。人や物に当たれば、一時的にすっきりするかもしれませんが、それがきっかけで不快な感情に火をつけたり、自己嫌悪を感じてしまったりします。湧き上がった感情から距離を置くには、その場から離れて外の空気を吸い、他のことをするなどして、気分を換えるといいでしょう。そして、相手と話し合う際には、感情を脇に置き、伝えるべきことを冷静に伝えましょう。不快な感情は、刺激しなければ自然に鎮静化していくものです。
さらに、カウンセリングによって自分の感情を受容され、カウンセラーと一緒に「感情との長期的な付き合い方」を考えていくのも、お勧めしたいことです。感情に振り回されやすい傾向は今に始まったことではなく、子どもの頃から長い時間をかけて培われてきた可能性があるからです。カウンセラーと共に自分のこれまでをじっくり見つめながら、自分自身の再構築を考えていくといいでしょう。
感情とのお付き合いは、「子育て」でも役立つ
感情とうまく付き合っていく努力は、自分自身のためだけでなく、子育てにおいても大いに役立ちます。自己分化度の高い親は、子どもを感情的に叱らず、かんしゃくを起こした子どもの気持ちに巻き込まれず、冷静に対応することができます。そして、子どもはそんな親の姿勢を見ながら、感情との付き合い方を覚えていくことができます。つまり、親自身が感情に振り回されない姿勢を身につければ、子どもにも、それを継承することができるのです。難しく考えず、まずは、イライラしたときや不安になったときに、意識してその感情に振り回されて決断したり、行動したりしていないか、自分自身を振り返ってみてください。人は、ちょっとした心がけで大きく変わることができます。