予備校とは? 塾と予備校、一番の違いは指導対象
塾ではクラスあたりの生徒人数も予備校に比べるとずっと少なく、気軽に質問しやすい環境です。
塾と予備校の一番の違いは「指導対象」にあります。塾は高校生を対象としている所もありますが、基本的には小学生・中学生が対象です。一方、予備校の指導対象は、高校生と浪人生です。小中学生を対象とする予備校はありません。
対象学年が下がるほど、授業以外の様々なサポートの必要性が高くなります。したがって塾には予備校にはないサポートが多く、それをどれだけ使い倒すかが塾活用のキモといえます。
塾は無料で補習を受けられる機会が多い
集団指導塾に限っての話ですが、無料で補習を受けられるのが塾のいいところ。補習を積極的に行っている塾なら、参加しない手はありません。どんどん参加して学力アップに結びつけてください。補習をあまり行っていない塾でも、質問ならいつでも受け付けています。塾では、クラスあたりの生徒人数も予備校に比べるとずっと少なく、気軽に質問しやすい環境です。授業を受けている講師に直接質問しやすいのも塾の利点です。
予備校講師は講義が終わるとすぐに別の校舎に行ったり、講義を受けている多くの生徒の質問応対に追われていたりと、なかなか質問しづらい状況です。そこで、チューターと呼ばれる大学生アルバイトが質問に答える態勢が整えられているのです。
予備校講師と塾講師はこんなに違う
教える側の塾講師と予備校講師も、似ているようでかなり違いがあります。まず、塾講師には正社員が多く、彼らにとって授業を行うのはその他さまざまな業務の中のひとつです。生徒が塾にやってくるまでの時間は校舎の予算管理や広告チラシの作成、ホームページの更新、保護者会の資料作りなど多くの付帯業務があります。予備校講師は基本的に年間契約の個人事業主です。契約内容は講義することのみで、生徒指導に直接関係ない仕事はありません。純粋に講義内容のみで勝負する世界です。
予備校の場合、生徒は好きな講師の講義を選んで受講できるため、生徒が集まらなければその講師に翌年の契約はありません。逆に人気講師になれば高い報酬で契約が結ばれることになります。そのような意味では予備校講師は担当教科に関する知識、聞き手を魅了する話術など、プロ中のプロといえるかもしれません。
一方、塾の非常勤講師の場合、年間契約であるものの、生徒は自由に授業やクラスを選ぶことはできません。予備校講師ほど人気の有無が生まれにくく、報酬が一気に高くなることはないものの、契約打ち切りのリスクも少ないといえます。
進路指導に手厚いのは塾
進路指導に手厚いのも塾の特徴です。塾では直接生徒を指導している講師が進路指導を行うところがほとんでです。いつも授業で生徒たちのことを見ているので、その子の性格に合った学校を紹介したり、学力傾向に合った入試を課す学校の受験を勧めたりすることができます。どの日にどの学校を受験するかなどという、いわゆる「受験パターン」も一緒に考えてくれます。予備校の場合は講義をする講師が進路指導をすることはなく、担任と呼ばれるスタッフが進路の相談に応じる程度です。塾に通う小中学生と違って相手が高校生や浪人生ということもあり、手取り足取りの進路指導はしていません。
塾の授業と予備校の講義の違い
さてここまでの文章で「授業」と「講義」と2つの言葉を使い分けてきたのに気づいたでしょうか?一般的に塾では「授業」と呼び、予備校では「講義」と呼びます。この違いは教える側と教わる側の関係性にあります。「授業」では講師が生徒を頻繁に指名して答えさせたり、時間を取って練習問題に取り組ませたりします。「授業」は講師と生徒が会話のキャッチボールをしながら進めていきます。小中学生に合った形式といえるでしょう。一方、「講義」では講師が生徒を差して答えさせることはあまりありません。「講義」は講師の説明が基本です。
さて、いかがでしたでしょうか。
似ているようでかなり違う、「塾」と「予備校」。それぞれの特性を知ったうえで賢く活用して成績アップにつなげてください。
【関連記事】
- 学習塾の選び方 失敗しない7つのポイント
- 中学受験の塾選び…大手中堅、集団個別どう選ぶ?
- いい塾の探し方…塾の広告チラシはこう読み解く!
- 個別指導塾のメリット・デメリットと賢い選び方
- 大手塾vs小規模・集団指導vs個別・地元vs遠距離…塾の選び方
- 進学塾の「入塾テスト」で合格点を取るための対策とは?
- 塾の費用が高い?だまされない5つのポイントとは?