何百年もポルヴォーの街を見下ろし続ける街のシンボル、ポルヴォー大聖堂
残念ながら2006年に火災に遭い、現在の外観はその後忠実に再建されたもの
街歩きの項目で説明したように、どの道から散策を始めてもゆるやかな上り坂を進むうちに自然とたどり着いてしまう、旧市街の丘の頂にたたずむ街のシンボルが、ポルヴォー大聖堂。1400年代にはこの場所に最初の教会が建てられたといい、1723年には、司教が長を務める国内有数の大聖堂となりました。
由緒ある大聖堂としての風格を漂わせる教会内部
街のどこからでも眺めることのできる外観は、真っ白く塗り込められた壁に深くかぶさる切妻屋根が印象的。けれどそのシンプルで牧歌的な外観に対して、内部には厳かなゴシック様式の空間にきらびやかな黄金のペンダントランプが下がっています。実はこの大聖堂は過去に計5度もの火災に見舞われており、記憶に新しいのは2006年に外壁の大半が焼失してしまった火災事故。現在見られるのは、その後2年がかりで忠実に再建が進められて完成した姿です。
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Porvoon tuomiokirkko(ポルヴォーン・トゥオミオキルッコ/ポルヴォー大聖堂)
住所:Kirkkotori 1, 06100 Porvoo
TEL:+358 19 66 111
アクセス:ポルヴォーバスターミナルから約20分
開館時間:10:00~14:00(日曜14:00~16:00)、6~9月のみ10:00~18:00(土曜~14:00、日曜14:00~17:00)
※開館中も、特別礼拝やイベント中は立ち入り不可
旧市庁舎広場ではマーケットを開催、界隈にはユニークな美術館や博物館も
ピンク色の壁をした旧市庁舎のそびえる広場では、日中はマーケットが賑わう
決して広くない館内にずらりとレトロな人形が並んでいるおもちゃ・人形博物館
大聖堂から、レストランやショップが立ち並んで賑わいを見せるエリアへと下って行くと行き当たるのが、ピンク色の壁と円筒状の時計塔がトレードマークの旧市庁舎がそびえる広場。広場では日中にマーケットが開催され、ハンドクラフトなどのお店のテントが立ち並びます。旧市庁舎は現在美術館として公開されていて、歴史的な調度品や絵画などの美術作品が見られます。この旧市庁舎美術館をはじめ、広場の周辺にはさまざまな美術館やギャラリー、テーマ博物館が集まっています。なかには、1000体以上のおもちゃ人形がコレクションされた国内屈指のおもちゃ・人形博物館などもあり、子どもたちにも大人気です。
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ポルヴォー市内の美術館・博物館の総合情報ウェブページ
交易のための貯蔵庫だった赤壁倉庫群は、川の対岸から眺めるのがオススメ
日本の貿易港でも見かける赤レンガの倉庫とはまたひと味違った趣きがある
大聖堂と並んで、ポルヴォーらしい風景を作り上げているのが、ポルヴォー川の岸辺に立ち並ぶ赤壁の木造倉庫群。ポルヴォーは昔から貿易の要衝だったため、遠い国々から運河を伝ってやってきた香辛料やワインなどの商品が、この倉庫で一時貯蔵されていました。なぜ川辺の一体だけ建物が一様に赤く塗られたのか……それは当時この地を治めていたスウェーデン王のグスタフ三世に敬意を示すためだったと言われています。
赤壁倉庫群は、前ページで紹介したように旧市街から迷い込んで間近に観るのも良いですが、河川にかかる橋を渡って対岸にまわれば、旧市街の全景も含めて端々まで美しく眺めることができるので、おすすめです。
川辺のレトロなレンガ造りの建物は、おしゃれなコーヒー焙煎所&カフェバー
木造の赤壁倉庫とは違った存在感を放つ、4階建のレンガ造りの建物
川沿いの赤壁倉庫の並びに、一軒だけ、同じ赤でもレンガ造りの、しかも4階建のレトロで重厚な建物が目立っています。ここは、1902年に貿易商人が建てたというコーヒーなどの外来品のマーケット拠点で、現在ではコーヒーつながりでここに焙煎所が入り、カフェ&バーが経営されています。外観もインパクトがありますが、内部も創建当時の趣きを多分に残してあり、ポルヴォーの古い街並みの中でもちょっとした異空間の情緒を味わえます。夏の気候の良い日には、河川に浮かぶように設置されたボートのテラス席でのんびり過ごすのも気持ちが良いですよ。
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Bar & Cafe Porvoon Paahtimo(バー&カフェ ポルヴォーン・パーハティモ)
住所:Mannerheiminkatu 2, 06100 Porvoo
TEL:+358 19 617 040
アクセス:ポルヴォーバスターミナルから徒歩約15分
営業時間:月~木曜10:00~23:00(金・土曜は~翌3:00)
※上記データは記事公開時点のものです。
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最終ページでは、ポルヴォーへのアクセスと旧市街への行き方を紹介!