フィンランド随一の眺望、コリ国立公園のウッコ展望台

名だたる芸術家たちが礼賛！いざ、フィンランド屈指の絶景を眺めに

コリ国立公園（Kolin kansallispuisto）は、フィンランドに35以上ある国立公園のなかでも、1,2を争う知名度と人気を誇る場所。ロシア国境にほど近い東フィンランドのカレリア地方に位置し、ヘルシンキから列車で4時間半ほど北上した先の都市、ヨエンスーを拠点に訪れることができます。

この国立公園の名を国内外に知らしめているのは、エリア内の最高峰（347メートル）であるウッコ展望台（Ukko-Koli）からの眺望の素晴らしさに他なりません。立ち枯れた老木目立つ荒々しい原始の森の丘を登ってゆき、やがて見えてくる白い岩肌がむき出しとなった頂に立つと……そこから見渡せるのは、森と湖の国フィンランドの真骨頂、地平の果てまで巨大なピエリネン湖と島々と森の大地が折り重なる圧巻のパノラマ！晴れた日には湖の水面が空の青色をそのまま映し、真っ青な世界に緑のまだら模様が浮き立つようなユニークな光景を作り出します。秋は木々が一斉に紅葉して色とりどりの世界に。また真冬には、凍った湖に雪が積もり木々が怪獣のような樹氷と化して、全く異なる景色を見せてくれます。

このウッコ展望台からの眺めには、作曲家シベリウス、画家エーロ・ヤルネフェルトなど、これまでに何人もの国民的芸術家が実際に訪れて感銘を受け、その景勝を題材にしたり着想のもとにした作品を発表しています。そもそも歴史的に隣国の統治が続いていたフィンランドでは、コリ国立公園のあるカレリア地方は自国固有の景観や民族文化が色濃く残るアイデンティティの拠り所として、民族解放運動がさかんになるとともに注目が集まりました。ウッコ展望台からの眺めは、単に圧巻で美しいというだけでなく、フィンランド人の自国への愛着や誇りなど、特別な思いを呼び覚ましてくれるものなのです。

ウッコ展望台へは、麓からトレッキングするもよし、
リフトやエレベーターを使って楽々アプローチするもよし

コリ国立公園散策のハイライトになるウッコ展望台までは、麓各所から整備された森林散策道を地道にトレッキングしてもたどり着けます。コリは冬にはスキーリゾートとしても賑わうため、麓にはアクティビティの拠点となるコテージや宿泊施設なども点在しています。

けれど歩く時間を最小限に留めたいなら、ヨエンスーからのシャトルタクシーや自家用車で森の中腹まで上がってしまうルートがおすすめ。さらにそこからは、斜面を駆け上がるゴンドラ風の無料エレベーターが終日運行しており、ウッコ展望台の一歩手前まで一気に運んでくれます。また、このメイン駐車場の逆側（湖側）の麓からは、スキーリフトで同地点まで上がることもできます。

ウッコ展望台の手前には、眺望抜群のスパホテルやビジターセンターが

エレベーターの到着地点（upper yard）は、すでにウッコ展望台まで300メートルほどの、ずいぶん見通しのきく高度の地点。周辺には、コリ国立公園に関する見識を深められるビジターセンターや、レストランバーを併設したスパホテル、土産物店が並んでいます。

ホテルのレストランバーは、宿泊客でなくとも利用可能。人気の窓際席やテラス席からは、湖側の絶景を眺めることができます。また、この景勝地を一日中目に焼き付けながらのんびり1泊……というのもおすすめのプラン。冬にはダウンヒルを楽しむこともできます。客室から時間帯によって刻々と移ろう景色の色や表情を楽しみながら、スパで散策の汗を流してリラックスしてみてはいかがでしょう。

＜DATA＞
■Luontokeskus Ukko（ルオントケスクス・ウッコ／ウッコ自然センター）
住所：Ylä-Kolintie 39, Koli
TEL：+358 205 64 5654
アクセス：コリ展望台そばエレベーター（upper yard行き）
下車すぐ
開館時間・休館日：シーズンや日によって異なるので
ウェブサイト参照

■Break Sokos Hotel Koli（ブレイク・ソコス・ホテル・コリ）
住所：Ylä-Kolintie 39, Koli
TEL：+358 20 1234 662
アクセス：コリ展望台そばエレベーター（upper yard行き）下車すぐ

※次ページでは、ウッコ展望台周辺の散策ルートと見どころを紹介！