フィンランド/フィンランドの観光

フィンランド随一の眺望、コリ国立公園のウッコ展望台(2ページ目)

フィンランド東部の街ヨエンスーを起点として訪れることのできるコリ国立公園。この地はかつて、作曲家シベリウスや画家ガッレン=カッレラなど名だたる芸術家たちが訪れ、森と湖の連続を見渡せる眺めから、作品のインスピレーションを得たことで知られる特別な場所です。頂にある展望台までは、バスやリフトを使えば意外にも楽々と登頂が可能。フィンランド随一と言われる絶景を拝みに出かけませんか。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド

ウッコ展望台までの散策ルートはどんな感じ?

森林道

ウッコ展望台周辺の森林道は、急な坂も少なくゆったりと自然散策が楽しめる

階段道

頂上までの最短ルートは、ビジターセンターの奥から整備されている階段道

ホテルや土産物屋のあつまる地点(upper yard)まで来たら、そこからウッコ展望台(Ukko-Koli)の頂までは、徒歩であと約300メートルのファイナルアプローチ。ビジターセンターの奥から始まる階段をあがってゆくか、その右手から伸びるゆるやかな上り坂の迂回森林道を進むか、選ぶことができます。まず頂からの景色を堪能したい!と気がはやる方は階段から、自然散策を楽しみつつゆったりとアプローチしたい方は森林道から展望台を目指すことをおすすめします。

 
木の根

岩肌や木の根が剥き出しになっている辺りでは、常に足元に注意して

森林道は、老木や倒木もそのまま残してある、荒々しくも豊かな天然林を分け入るように砂の道が整備されています。道の分岐点にはその都度わかりやすい立て看板が設置されているので、それに従って進めば迷うこともありません。急斜面や危険箇所は特にありませんが、森の地盤を形成するのはごつごつした岩盤です。つい景色に気を取られていると鋭い岩肌やその上を這う木の根につまづくことがあるので、ご注意を。トレッキングシューズを履く必要はありませんが、女性のハイヒール靴では少し危ないかもしれません。また、雪の積もった冬場の散策の場合は、滑り止めのついた安全な冬靴で挑むようにしましょう。

ブルーベリー

夏の間は、森のいたるところで可憐なブルーベリーの実が見られる

森林道では、四季折々の高山植物や、森の動物たちの餌となる色とりどりの苔や地衣類などが目を楽しませてくれます。とくに7月から8月にかけては、森のいたるところでブルーベリーがたわわに実をつけます。フィンランドでは、国立公園内であれ私有林内であれ自分が見つけたベリーやきのこは採取する権利が守られているので、ぜひ栄養満点の天然のベリーを味わってみてください。キノコについては専門知識のない限りむやみに採取することはおすすめできません。

 

撮影

記念撮影時は特にご注意を

ウッコ展望台に到着したら、他のトレッキング客と足場を譲り合いながら、フィンランド随一と讃えられる森と湖の原風景を心ゆくまでお楽しみください。訪れる前に、ヘルシンキ市内の美術館や中央駅構内で見られる芸術家たちのコリを題材にした作品を目にしておいたり、シベリウスの楽曲を耳にしておくと、この景色をよりいっそう感慨深く眺められるのではないでしょうか。ただし足場は滑りやすい岩肌の連続で、特に柵がついているわけでもないので、くれぐれも足を滑らせて転落しないよう注意。

ウッコ展望台周辺の見どころにも足を伸ばしてみては

アッカ展望台

ウッコ展望台から少し歩いた先のアッカ展望台からは、湖側とは反対側に広がる森の樹海を眺めることができる

念願のウッコ展望台を制した後、すぐに下山してしまわずに周囲の見どころまで足を伸ばしてみることをおすすめします。

チャペル

アッカ展望台の足元には、木で巨大な十字架の作られた自然の中のチャペルが

ウッコ展望台から出発点と逆方向に200メートルほど歩いて行くと、第二の展望地点、アッカ展望台(Akka-Koli)にたどり着きます。ここは千畳岩のような大きな岩山になっていて、登りつめるとウッコ展望台からの眺望とは逆側に広がる樹海を見渡すことができます。湖はほとんど見られませんが、このうねるような森のウェーブもまた見応えがあります。また、アッカ展望台の足元には自然のチャペルがあることにも注目!木で作られた大きな十字架とベンチ、聖壇が設置されていて、ここで挙式をおこなうカップルもいるのだそうです。

レリーフ

岩にさり気なく刻まれたヤルネフェルトの顔面レリーフ

そこからさらに下山していくと、パハ展望台(Paha-Koli)という第三の展望台にも行き着きます。ここは再びウッコ展望台と同方向の景色を眺めることができますが、高度や角度が変わったぶん、ピエリネン湖の別の表情を見ることができます。この他に、入り口地点から階段道よりさらに左の散策道を行くとまた別のビュースポットや、コリにゆかりのある芸術家のひとりエーロ・ヤルネフェルトの記念レリーフが刻まれた岩なども見つかります。

<DATA>
Kolin kansallispuisto(コリン・カンサッリスプイスト/コリ国立公園)
アクセス:ヘルシンキ中央駅からヨエンスー(Joensuu)駅まで列車で約4時間30分、ヨエンスーから車で約70キロ北上。
※ヨエンスーのマーケット広場そばのバス停からシャトルタクシーが出ているので、乗り合わせると便利。送迎時間を指定したい場合は要電話予約。シャトルタクシーは、コリ国立公園内のどの地点にでも運んでくれるので、ウッコ展望台を目指す場合はUkko-Koli(ウッコ・コリ)と伝える

タクシーコリ社のヨエンスー・コリ間シャトルタクシー時刻表(季節によって発着時間が異なるので注意)

・Koliエリアのの宿泊施設やその他の見どころなどをもれなくまとめた公式観光サイト


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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