LGBT向けサービスの本質
LGBTの方を含め、性的マイノリティと総称される方々が望んでいることは一概には言えませんが、LGBT向けサービス・商品というよりも、異性愛の人達となんら変わりない制度や人々の眼差しなのではないでしょうか。それを端に置いて、あえてのLGBT向けのサービス・商品とリリースされても、私は利用したいとは思えません。あくまでも主観ですが、ビジネスを行う以上、そのサービスや商品は一体「誰の為に何の為に必要なのか?」ということを掘り下げていくことが必要不可欠なのではないでしょうか。その先で産まれたサービスであれば、自ずとLGBTの方だけに限らず、社会全体において必要とされる需要のあるサービス・商品になっていくと私は考えます。東京オリンピックに向けてのおもてなし
2020年の東京オリンピックは日本が多様な文化や価値観を尊重していることを世界に発信できるチャンス
既に、海外の顧客を見込んで日本政府観光局の英語版では、LGBT向けの観光情報ページでホテルなどを紹介していたり、
京都にある臨済宗の寺院、春光院とともに外国人向けのウェディングプランが用意されています。また、全国で初めて行政として「LGBT支援宣言」を発表した大阪の淀川区役所では、LGBT支援事業を行うなど、企業や行政でも世界に目を向けた動きが続々と出てきました。世界中の多様な人々が注目し集まるオリンピックだからこそ、性的マイノリティの方々をはじめ多様な人種や文化を尊重する日本を世界に向けて発信していけるチャンスでもあるのではないでしょうか。
多様性のある社会へ
最後になりますが、多様な人々が共存する現代だからこそ、マジョリティ・マイノリティに関係なく誰しもが生きやすい社会を共に創りあげていく為に、社会性のあるメッセージだけでなく、経済性を伴わせたビジネスモデルを構築していくことが私は最も重要だと思います。私が尊敬している人の言葉で「無知や無関心ではいけないけれど、過剰であっても意味がない」という教えがあります。まさしくLGBT市場においても同じことが言えるのではないでしょうか。一つの目安でもある、2020年のオリンピック。本当の意味で寛大な「おもてなし」の心で迎えられるような国であり、自分でありたいですね。