管理会社に直接予約か代理店のパッケージか。
それぞれの費用とメリットを比較
通常コースの4つの山小屋のうち、メインの山小屋のラバンラタ。売店や食堂が併設されており、食事時に山を移動しなくて済むので、予約時に選べるならこのラバンラタをリクエストしておきましょう
その時期の為替レートにもよりますが、2014年7月現在(1リンギット=約32円)、2名申し込みで公園内のホステルで前泊する2泊3日パッケージの料金は、
・ステラサンクチュアリロッジ:792リンギット(2万5000円程度)
・コタキナバルの代理店(英語予約):1300~1600リンギット(4万~5万円)
・日系の代理店(日本語予約、現地のガイドは英語):5~7万円
代理店のパッケージとステラサンクチュアリロッジのパッケージでかなり料金に開きがありますが、代理店パッケージには送迎や登山費用が含まれており、ステラサンクチュアリのパッケージに含まれるのは宿泊、食事、登山許可料、登山保険のみで、以下の料金は当日に現地で別途支払う必要があります。
・コタキナバルからの交通費(タクシーなら片道250~300リンギット、乗り合いバスなら片道20リンギット程度)
・公園入園料(15リンギット)
・登山ガイド料(グループの人数に応じて一人あたり25~128リンギット)
・公園本部ー登山口間の移動車の料金(人数に応じて片道4~16.50リンギット)
ステラサンクチュアリで予約をとってもタクシーで公園本部まで移動すると代理店パッケージとあまり費用が変わりません。一方で、ステラ社で申し込んで、乗り合いバスを使って公園まで行き、なるべく人数を集めて(6名まで)登山ガイドをつければ、代理店申し込みより費用を抑えられるので、安く行きたい方はまずステラサンクチュアリロッジに空き状況を問い合わせてみましょう。
ステラサンクチュアリロッジでの直接予約のコツ
ウィスマムルデカショッピングセンターの隣にあるステラ社オフィス。現地での申し込みや支払いはこちらで。事前に問い合わせて満室だった時期でも、現地に来てから窓口で確認すると「明後日なら登れますよ」なんて言われることも
実は山小屋の予約枠のほとんどはステラ社から代理店に日程ごとに分配されて代理店経由で販売されるため、ステラ社自体はほとんど枠をキープしていないのです。
ただ全く残っていないわけではないので、直接予約を狙う方はまず電話かメールで問い合わせてみましょう。ステラ社のサイトに載っているアドレスにメールを送ってもなかなか返事が来ないのですが、窓口のスタッフ曰く、窓口スタッフ用のメールアドレスに送ってもらえばすぐに返信できるとのことなので、教えてもらったメールアドレスを下に記載しておきます。
なお、登山日が近づくと各代理店で売れ残った枠がキャンセルでステラ社に戻ってくるため、一週間前あたりからは直接予約が取れる可能性がぐんと高くなります。
<DATA>
■SUTERA SANCTUARY LODGE
住所:Lot G15, Ground Floor, Wisma Sabah, Kota Kinabalu
TEL: 088-308914/308915/308916
FAX: 088-308482/308449/259552
E-mail:ssl.reservation@suterasanctuarylodges.com.my
送迎付きのおまかせツアーなら代理店の登山パッケージ
ステラ社で直接申し込みをした場合は当日の公園本部までの移動や公園本部での登録手続きなどは自力でやることになります。その部分が不安や面倒であれば、あるいはステラ社で予約が取れなかった場合は、旅行代理店のパッケージを検討してみましょう。コタキナバルのホテルからの送迎付きのパッケージツアーが代理店各社で販売されており、日本からオンラインでの申し込みも可能です。
ステラサンクチュアリや現地の代理店と英語でのメールやクレジットカード情報のやり取りが不安という方もいるでしょう。その場合は、海外登山やボルネオのツアーを専門とする日本の旅行代理店でもキナバル登山パッケージを扱っていますので、そちらで申し込めば日本語でサポートしてもらえます。
いずれも、代理店によってブロック(確保)している日程や人数枠、料金などはまちまちなので、希望の日程で取れるかどうかなど複数の代理店に問い合わせてみることをおすすめします。
専用の山小屋に泊まるヴィア・フェラータパッケージも狙い目
断崖絶壁を下るヴィアフェラータ。しっかりと専用装備を身につけ、インストラクターが同行します。初心者向けのショートコースもあり
ヴィア・フェラータは、通常ルートでキナバル登頂後、途中別ルートの岩壁をワイヤーロープなどを使って下りるアドベンチャー度の高いコース。
10歳以上なら誰でも参加できるショートコースと、上級者向けのロングコースの2種類があり、これらに参加される方には専用の山小屋「ペンダントハット」が宿泊施設として用意されています。
ペンダントハットはステラ社ではなくヴィアフェラータを催行するマウンテン・トーク社の管轄ですが、同様の予約システムで各代理店を通してヴィアフェラータ・パッケージとして販売されています。
通常コースの山小屋予約がいっぱいでも、ヴィア・フェラータ専用のペンダントハットが空いている場合がありますので、どうしても事前に予約が取りたい方はキナバル登山を扱っている会社にヴィア・フェラータの空きも確認してみてください。
<DATA>
■MOUNTAIN TORQ
住所:Unit 3-36 Asia City Complex3rd Floor, Jalan Asia City, Kota Kinabalu,
TEL:088-268126
登山の際は、現地のルールに従い安全にも注意した上でのぞみましょう。次回の記事では<登山編>として当日の装備や手続き、登山の流れなどを詳しく解説します。