バレエ/バレエ観劇の関連情報

ダンサーズ・ヒストリー Noism1 井関佐和子(6ページ目)

りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館専属舞踊団Noismのメインダンサーとして、10年間に渡りカンパニーを牽引してきた井関佐和子さん。彼女が歩んできた舞踊家への道程とは? ここでは、井関さんのダンサーズ・ヒストリーをご紹介します!

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


年間100ステージ舞台に立って……。 

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NDT2 Photo:Joris Jan Bos

NDTという人気カンパニーの一員となったものの、プロの壁はやはり高かった。
「最初の公演では、できない自分しかいなかった。泣きながらリハーサルをしていたことしか覚えてなくて、初舞台の記憶があまりないんです」
パートナリングなど初めての経験も多く、物理的に歯が立たない。何をどう言われても、できない、わからない。

「本当に何もできなかったです。パートナリングで床を転がる振りがあったんですけど、転がり方がまずわからない。勢いでやって唇を切って、血だらけになりながら練習してました(笑)」
バレエをベースにしながらも、動きはあくまでも自由。当時はまだそうしたスタイル自体珍しかった頃であり、NDTがいかに先鋭だったかがわかる。
「初めてのものに触れることができたという意味では、いい時代だったなって思う。今の子たちは最初から何でもできちゃうからスゴイなって感じます。でもみんなある程度知ってるからこそ、逆にこれから何をしていくか問われる部分はあるかもしれないですね」

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NDT2ブラジルにて(右から3人目)

プロ生活は実にハードで、年に100回舞台に立った。世界中をツアーで訪れるものの、時間も余裕もなく現地で何を見る訳でもない。
NDT には3年間在籍した。さまざまな踊りに触れ、成熟してきた自分を発見したとき、次に進もうと決めた。
「オハッド・ナハリンの作品が好きで、彼のもとで踊りたいという気持ちがずっとあって……。イスラエルにも何回も行っていて、穣さんと初めて会ったのもそこでした」

自分もオハッドのような作品を踊りたい。しかし、バレエにもまだ未練が残る。迷いの最中に出逢ったのが、マッツ・エックの『ジゼル』を踊るアナ・ラグーナ。“自分もこれを踊ってみたい!”と、エックのいるスウェーデンのクルベルグ・バレエを目指す。

プライベート・オーディションを受け入団。クルベルグ・バレエには一年間在籍している。

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スウェーデン時代




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