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ダンサーズ・ヒストリー Noism1 井関佐和子(5ページ目)

りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館専属舞踊団Noismのメインダンサーとして、10年間に渡りカンパニーを牽引してきた井関佐和子さん。彼女が歩んできた舞踊家への道程とは? ここでは、井関さんのダンサーズ・ヒストリーをご紹介します!

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


19歳、NDTでプロデビュー

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 NDT2日本ツアー
(右から二人目)

ルードラ・ベジャール・ローザンヌには二年間在籍する予定だったが、自ら一年半で切り上げている。
「ベジャールの学校は締め付けられてる感じがあって、何だか苦しくて……。またそのとき、初めて彼氏ができたんです(笑)」

お相手は一学年上のイギリス人。井関さんが二年目に進級すると一学年上の彼は学校を去り、離ればなれになってしまうーー。しかし、ここで諦めないのが彼女のスゴさ。ドイツのダンス・カンパニーへ入団が決まっていた彼の後を追うべく、在学中にドイツまで出向きオーディションに挑戦する。翌シーズンからの入団契約を取り付けると、ルードラ・ベジャール・ローザンヌをあっさり退学。

「入団まで半年あったので、その間は幸せに生きようって考えてました。でも、ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)のオーディションがあるというのを聞いて、ちょっと挑戦してみようかなと思ってーー」
その頃、金森穣と初めて言葉を交わしている。橋渡し役は、彼女の一年後にルードラ・ベジャール・ローザンヌへ入学してきた那須野圭右。
「“NDTにいた穣ってひとを知ってるから彼に聞いてみなよ!”って言われて。電話をして“オーディションを受けたいんですけどどうしたらいいですか?”と聞いたんです。穣さんは“え、受ければいいんじゃない?”と。そのときの印象は、怖っ! て感じ(笑)。“あ、ありがとうございました!”って、すぐ那須野さんに電話を代わっちゃいました(笑)」

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NDT2(右から4人目)

NDTでは、まずプライベート・オーディションとしてカンパニーのレッスンに参加。当初は2日間の予定だったが、先方に気に入られ一週間に渡り滞在している。その後オープン・オーディションに参加し、300名中合格者3名という狭き門を突破した。同時に、ドイツのカンパニーとの契約話はご破算に。
「ベジャールの学校を辞める理由としては恋を取ったはずなんですけど、NDTに受かったら何故か恋ではなくダンスを取ったんです(笑)」

当時19歳。プロの舞踊家としてカンパニーに所属するのは初めてのこと。給与体系からはじまり、全てが契約で決められているのにまず驚かされた。
「例えば、公演が終わって帰りが夜の12時を過ぎてたらタクシー代が出るので、その場合はレシートをもらってオフィスで精算すること、とか。NDT1のメンバーが集まって労働組合の話をしていたりと、会社としてきちんと成り立っていて、踊り以外の部分でもすごく学ぶことが多かったです」

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NDT2 Photo:Joris Jan Bos



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