ゲストダンサーに堀内元さん、中村かおりさんが招かれます。
彼らが出演するに至った経緯、そこに込めた想いとは?
熊川>今回プログラミングをするにあたり、まずよくあるバレエのガラ公演にはしたくないという考えがありました。古典バレエのグラン・パ・ド・ドゥを、外国にいるダンサーたちが自分のパートナーを連れてきて踊るようなバレエ公演がよくありますよね。このガラでは、そういうことは一切したくない。よくあるグラン・パ・ド・ドゥ集ではないというポリシーは徹底したいと考えています。僕は一流という言葉が大好きです。そして、そうあるべきだと思います。常に衿を正し、頑張って一流の仲間入りをすべく喰らいつこうとしています。バレエ界の中で、一流と言える人間がどれくらいいるでしょうか。そう考えたとき、当然のように堀内元さんが想い浮かびました。日本人で初めてニューヨーク・シティ・バレエ団でプリンシパルに登り詰め、バランシン最後の弟子と言われた方です。そして1986年のローザンヌ国際バレエ・コンクールで赤いカツラをかぶって東洋を表現し、世界にセンセーショナルを与えた中村かおりさん。
中村かおり
このおふたりは、経歴、実績、全てにおいて申し分ない、僕の中では超一流の方たちだと考えています。ただ残念なことに、今まで日本で紹介されることがさほどなかった。それは、日本のバレエを取りまく環境、文化を取りまく環境というバックグラウンドがある。僕としては、彼らを紹介できる機会があればぜひという思いから、おふたりのことはずっと頭にありました。
堀内元
SAB(スクール・オブ・アメリカン・バレエ)出身のおふたりと、英国ロイヤル・バレエ・スクール出身の僕らふたりが少しでも融合できたらステキだなという思いがあります。また『シンプル・シンフォニー』には、海外で活躍している若手のダンサーが出演します。素晴らしいアーティストであり、彼らを紹介するという意味でもとてもいい機会だと思っています。そして、舞台を通し未来へ流れをつなげていきたいと思います。
記者会見の模様 (C)大久保惠造