揺れを受けても元に戻る鉄骨の性質を活かすには

地震の力を受けやすい3階建て住宅に適した構造とは、どのようなものなのでしょうか。

ヘーベルハウスの3階建て住宅は「重量鉄骨システムラーメン構造」を採用しています。その理由は、鉄骨自体に弾性があり、地震の揺れを受けても、地震が起こる前の元の形に戻る性質があるからです。

一般的な重量鉄骨ラーメン構造では、鉄骨でつくられた柱と梁を結合してつくられていますが、ヘーベルハウスでは、柱と柱の接合部、柱と梁の接合部、柱と基礎の接合部が強固に接合されています。

例えば、柱と柱の接合部は、通し柱と同じ強度で継ぎ足すことのできる技術が用いられます。柱と梁の接合部は特殊な高力ボルトで柱と梁をつなぎ、柱と基礎の接合部は独自の高強度モルタル充填法によって、隙間なく柱と基礎を一体化させています。

ヘーベルハウスは独自の技術により、2階建てに比べ構造的にも厳しい3階建ての建物の重量をしっかりと鉄骨で支えつつ、しなやかな粘り強さを実現しています。

柱と梁が自立し、繰り返しの余震にも粘り強く耐える重鉄3階・システムラーメン構造

柱と梁が自立し、繰り返しの余震にも粘り強く耐える重鉄3階・システムラーメン構造


システムラーメン構造に新たに加わった制震システム『サイレス』

制震装置『サイレス』

震動の吸収性に優れたオイルダンパーを組み込んだ制震装置『サイレス』

ヘーベルハウスは、1981年に日本で初めて工業化3階建て住宅の認定を受け、2003年に工業化住宅初の制震構造を標準仕様化しました。そして、2014年5月には、重量鉄骨システムラーメン構造の3階建てに独自の制震システム『サイレス』が新たに組み込まれました。

『サイレス』は、高層ビルなどの地震装置として採用されることが多いオイルダンパーを住宅用に独自に開発したものです。鋼製パネルと2本のオイルダンパーで構成された制震システム『サイレス』は、大地震から中小の地震とさまざまな地震で制震効果を発揮します。地震時の建物の揺れ幅を減らし、構造躯体にかかる負荷を軽減するとともに、より損傷が蓄積しにくくなりました。
また、温度変化による性能の低下が極めて少なく、耐用年数が60年相当あることなども、『サイレス』の優れた点です。

採光・通風・間取りを邪魔しない構造の作り方

システムラーメン構造と『サイレス』の組み合わせは、3階建て住宅に最適の構造といえるのではないかと思います。なぜなら、大地震から度重なる余震にまで対抗できる耐震性能を持ちながら、プランづくりがしやすい構造でもあるからです。

どんな構造でも、柱や筋交いの入った壁を増やすことで、ある程度は地震に強い住宅をつくることは可能でしょう。しかしそれでは自由にプランニングすることはできません。柱や壁が増えることによって、間取りに制約が多くなってしまうからです。

3階建て住宅は、狭小地や住宅が密集している地域など、条件の厳しい都市部に建てられることの多い住宅です。採光や通風のポイントとなる開口部を自由にとりにくい環境に建てられることも多いでしょう。そんな3階建て住宅に、プランを自由につくれない構造を選んでしまうと、住みにくい家になってしまうと思うのです。

構造上、間取りの制約が少なく、大きな開口部をとることもできます

構造上、間取りの制約が少なく、大きな開口部をとることもできます


ヘーベルハウスのシステムラーメン構造は、柱と柱の間に筋交いがないため、大きな開口部をとることも可能ですし、必要な場所に窓を設けられるなど自由なプランニングが可能です。そのため、都市部の狭小地でも、採光や通風が十分に考えられ、地震にも強く、希望を取り入れた好みの間取りが実現できる可能性が高いのです。

「ハード」と「ソフト」のバランスで快適な家をつくる

ここまで、構造や制震システムの話をしてきましたが、もちろん、厳しい条件下でも快適な3階建て住宅を建てることが可能なのは、単に重量鉄骨システムラーメン構造であり、制震システムを取り入れたから…というだけではありません。

大地震や度重なる余震に耐える構造や工法、制震システムなどの「ハード面」と、日常の快適な生活を考えた設計力などの「ソフト面」。この両方がバランスよく組み合わされなければ、本当に暮らしやすい3階建て住宅はできないと考えています。

ハードもソフトも、どちらも備わることで、「叶えたい暮らし」ができる家が完成するのだと思っています。
安心して長く住み続ける住宅だからこそ、目に見えないソフトの部分も非常に重要になってきます。家づくりのパートナーを選ぶときは、今回ご紹介した構造や技術に加えて、蓄積された設計ノウハウなどにも注目して、決断していただければと思います。


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耐震住宅 地震に強く(重鉄制震・システムラーメン構造) | ヘーベルハウス
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