フレンチ/東京のビストロ

ビストロクルル(御茶ノ水)(2ページ目)

いつの時代もホンモノはひっそりと目立たずに隠れている。それを暴き出すのも私の楽しみでもある。梅ヶ丘の高級住宅街から神田駿河台の一角に移転したのが2012年。もと漫画家のマダムは今やソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を持つ。シェフの料理は正確丁寧骨太繊細と球種は多く、どれもピカイチだ。自分だけの店として押さえておきたい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド


ホンモノはいつも隠れている

料理は梅ヶ丘時代から変わらない、基本に忠実で味わいにブレのない、何を食べても「旨み」を感じるものばかり。モダンでオシャレなネオビストロではない。ここは紛れもない「ブッション」。料理には力強さがあり、ソースも見事だ。そこにご夫婦二人が醸し出す独特の居心地感がある。
クルル

これからのさわやかな季節にぴったりの料理だ

そうか、ここはもしかしたらリヨンにあるブッションかもしれない!ご夫婦でのんびりと得意料理をゲストに振舞う、にぎやかなフランス居酒屋。そこにはプロとしてのホスピタリティと実績があるマダムの感性と、実直なシェフのぶれない料理が存在している。

いいね、ここ。

入口のドアを開けると右手に二人掛けの小さなカウンターらしき席があり、奥はテーブル席とカウンター。10名も入るといっぱいだ。

アミューズの鶏白レバーの小さなムースは上品な旨みだけを抽出した優しい味わいに舌が踊る。トリッパと牛スジ、アキレスのトマト煮込も煮込み具合、甘さ、辛さなどのアクセントがドンピシャで閉じ込められた危険な料理だ。なぜならワインを飲む速度が恐ろしく早くなるからだ。
トリッパ

これは私の大好物でもある

メインはブルターニュ産若鳥のプロヴァンス風を選んで正解だった。ライム、ローズマリー、ローリエなどのハーブやスパイスを使った地中海風ソースには深みと旨みが同居。次回もこの料理をオーダーするだろう。
若鳥

フランス産独特のうまみがある。

この日は3人での会食。ワインもボトルが3900円~とリーズナブル。(平均価格帯は5500円前後か)。ボトルで二本飲んでコースで一人7500円ほど。十分な金額だ。

「ホンモノはいつも隠れている」そんなことを実感した夜だった。
クルル

花澤ご夫妻をパチリ!

ビストロクルル(御茶ノ水)
千代田区神田駿河台3-7-3
地図
Tel. 03-5577-6682
ランチタイム  11:30~13:30(L.O)
ディナータイム 18:00~21:00(L.O)
不定休なので予約することをお勧めします。
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