ストレス/その他のストレス

芸能人麻薬問題から考える「欲望」と「恐怖」の罠(2ページ目)

近年、大物スターの麻薬問題が続いています。「末は破滅」と分かっていながら、なぜ華やかな芸能界に麻薬がはびこるのか? 日本発の心理学理論から、人の心にある「欲望」と「恐怖」の関係性について、紐解いてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

欲望があるから意欲が湧き、恐怖があるから努力する

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「死の恐怖」を抱えながら、前に歩んでいくのが「人間の向上」

消せない「死の恐怖」に振り回され、麻薬に走った芸能人、自ら命を絶った芸能人が、なんと多いことでしょう。絶世期の笑顔の裏にある心の闇を想像すると、華やかな世界で働く人たちの「死の恐怖」の痛烈さを、感じずにはいられません。

では、「死の恐怖」から解放される手段はあるのでしょうか?  そもそも、「死の恐怖」を消そう、なくそうとどんなに試みても、無理なのです。「生の欲望」と「死の欲望」は、切っても切れない双子のような存在だからです。

では、なくせないのなら、どうしたらいいのでしょう? まず、「必ずあるもの」と認めてしまうことです。そもそも、「生の欲望」が人間のやる気を賦活し、「死の恐怖」が努力を後押ししているのです。たとえば、受験生は志望校に合格したいという「生の欲望」と、落ちたらどうしようという「死の恐怖」に突き動かされ、必死になって勉強をしています。つまり、欲望と恐怖は、セットになって人を前進させるエンジンなのです。

大切なのは、自分の中にある欲望と恐怖を認めたうえで、「やるべきこと」という目的に向かって前進することです。つまり、「うまくできなかったら」「失敗したら」という死の恐怖に襲われても、その恐怖に流されず、本当にやりたい方向に向かって歩み続けること。こうして「目的本位」で前進していけば、その経験から、「かけがえのないもの」(成果、自信、知識、人脈など)を必ず得ることができます。こうした経験を積み重ねることで、人間は成長し、いつまでも向上していくのです。

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