赤ちゃんのしつけは0歳からスタート!
赤ちゃんとしつけについて考えてみます。
<目次>
0歳児の赤ちゃん、新生児のしつけ・育て方とは?
ねんねのころからたくさんコミュニケーションを
0歳児にこのようなしつけはまだ難しいのでは、と思う人がほとんでしょう。では0歳児にはしつけは必要ないのでしょうか。そんなことはありません。
「しつけ」とは、子どもに「何かをさせない」ようにしたり、「何かをさせる」ようにしたりすることだけではなく、その根底には、日々子どもと濃い時間を過ごしている人との信頼関係の構築があります。その上に少しずつ、それこそ成人するまでの長い年月をかけて、家族だけではない他者と一緒に過ごす共同体の中で、いかに行動していくかということを、子ども自身が判断していけるように方向づけていく過程があります。
「しつけ」というと限定されたイメージがありますが、「自分も他者も心地よく過ごしていくために必要なことを伝えていくコミュニケーション」と捉えることができます。そのための準備=コミュニケーションの構築は、0歳代から始まっているのです。
0歳児の赤ちゃんのしつけ:「語りかけて」「ほめて」信頼関係を
赤ちゃんが全力で取り組んでいることをたくさんほめてあげましょう。
基本的なことは、まだ泣くことでしか意思表示できない赤ちゃんの要求に応答して、抱っこや授乳をしてあげること、なるべく規則正しい生活習慣を整えてあげることです。これが信頼関係の始まりで、しつけの何よりの土台になります。
そして赤ちゃんにたくさん「語りかけて」「ほめて」あげましょう。そうすることで信頼関係が築かれ、赤ちゃんの自信ややる気が引き出されていきます。
ほめるのは、日常の小さなことでいいのです。何かができるようになったということももちろんですが、元気に笑顔を見せてくれた、元気いっぱいに泣いた、おっぱいやミルクを飲んだ、おしっこやうんちをたくさんした、離乳食を少し食べた……。赤ちゃんが全力で取り組んでいることに対して、「にこにこ笑顔だね」「元気な泣き声だね」「頑張って食べたね。できたね」などと声をかけてあげること=ほめることです。
このように信頼できる相手が近くにいて、自分の意志を主張でき、それを受け止めてもらえるという体験を少しずつ繰り返していくことが、2歳代、3歳代と成長してきたころに、自分以外の人の気持ちを想像するという行為につながっていきます。
0歳児の赤ちゃんのしつけ:「危険を伝える」「我慢させる」を教える
好奇心がグングン育つ時期
赤ちゃんが生活する住まいは、危険がない状況を作るのが基本です。しかし、つかまり立ちや伝い歩き、そして1歳を過ぎてヨチヨチ歩きが始まって、動きが活発になり行動範囲が広がると環境を整えるだけではすまない危険が周りにあふれています。完璧に危険がない状況を整えるのも不可能ですし、赤ちゃん自身が多少の危険に近づき、注意され止められるという経験も必要になってきます。こういったときは「危ない!」ということをしっかり伝えてあげましょう。
また、「我慢させる」ための声がけも少しずつしてみましょう。まだ遊びたくてもご飯の前にはおもちゃを箱に入れよう、手を洗おう、まだ外で遊びたくてもそろそろおうちに帰ろう、お友だちが遊んでいたおもちゃを取ってしまったら「はい、どうぞ」してみよう……。「ダメ」という言葉よりも、「~しよう」という形で誘ってみましょう。
その時その時に親が期待するように動くことができないことの方が多いかもしれませんが、長い目で見て、地道な声がけの積み重ねが小さな子どもの経験となって積み重なっていくはずです。
0歳児の赤ちゃんのしつけ:大人のぶれない姿勢が大切
赤ちゃんや小さな子に混乱を感じさせないために、1つのことを伝える上で、その人の中の気分でぶれない、家族間でぶれないことも大切です。日々子どもと向き合う立場であることが多い母親と違って、そうでないことが多い父親や祖父母は、母親が積み重ねていることを察することができなかったり、「少しぐらいいいじゃない」という気持ちが多いこともあり、そのギャップが母親のストレスになってしまうこともあります。母親としての方針を伝えて理解してもらうことができるといいですね。
言うことを聞いてくれないことも子どもの成長過程のひとつ
幼児期には生活のごく一場面だけが切り取られて、「聞き分けのよい子⇔よくない子」「育てやすい子⇔育てにくい子」「穏やかな子⇔気性の激しい子」という枠が持ち出されてしまう場面もあります。ご自身を振り返ってみると、物心ついた以降の子どもの頃や、子どもの頃でなく大人になってからでも、他人の注意やアドバイスがスムーズに入ってくるときとそうでないときがあったことはないでしょうか? 小さな子どもの中にも、心の中では「こうしてはいけない」「こうしなきゃ」「こうしたい」という気持ちがあっても、それを素直に受け入れられないことがあります。それは、子どもの成長過程において欠かせない自我の育つ姿でもあるのです。
さらに小学生ぐらいになると、言うことを聞くどころか、学校での様子もあまり話してくれず、接し方に悩む場面も出てくることがあります。こういったことも幼児期よりさらに自我が確立されていく成長過程にはよく現れてきます。このような場面は、声をかける側とかけられる側の心の距離を確認するチャンスでもあります。その時の子どもの状況や気持ちを少し想像してみると自然と声がけの中身に小さな変化が出て、相手の反応が全く変わってくることもあります。
「しつけ」→「自分も他者も心地よく過ごしていくために必要なことを伝えていくコミュニケーション」に、赤ちゃんの頃から気長に根気よく取り組んでいきたいですね。
またすべてを親が背負わなければと決して思わず、時には赤ちゃんが集まる場に出かけてみたり、子育てサロンなど、保育の専門家が常駐する場に遊びに行って、赤ちゃんへの働きかけのヒントをもらうのも1つの方法です。赤ちゃんの頃から保育園に通っているお子さんも、家族はもちろん、先生との信頼関係や、お友だちとの濃い人間関係の中で、他者との距離の取り方などを吸収しています。その子と育児をする人のそれぞれが適した環境の中で濃いやり取りを築けることがポイントになってきます。
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