「溺愛=受け入れる」「甘やかし=押し付ける」
溺愛はいいけど、甘やかすのはダメといわれます。でも、その境界線、難しいですよね。甘やかすとは、子供が自分で乗り越えるべき障害を、親が勝手に取り除いてしまうことです。そうやって成長の機会を奪ってしまうことです。親が自分の心配な気持ちを子供に押しつけてしまうことです。
「溺愛と甘やかし」「しつけと虐待」の微妙な線引きとは?
「押しつける」と「受け入れる」。まるで正反対の言葉なのですね。
親が「この子にはこれはできないから私がやってあげよう」と現状の子供を否定してでしゃばることが甘やかしです。「これをしてあげれば子供はよりよく育つ」と、ポジティブな気持ちから生じる行為は溺愛です。
では、たとえば、子供が落としたものを親が拾ってあげるのは溺愛でしょうか、甘やかしでしょうか。もし親が「誰かが落としたものを拾ってあげるやさしい子になってほしい」というポジティブな願いをもとにそうしたのなら、溺愛です。
でももし親が「あら○○ちゃんったらしょうがないわねぇ。私がいなきゃなにもできない」というネガティブな気持ちをもとにそうしたのなら、甘やかしです。
何をするかではなく、どういう気持ちでするかが、溺愛と甘やかしを分けるのです。
次ページでは「しつけと虐待の違い」について考えます。