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設立10周年!金森穣が語るNoismの過去と未来<前編>(3ページ目)

2004年に日本初の劇場専属舞踊団として新潟に誕生したNoism。3年ごとの契約更新を繰り返し、2014年4月をもって設立10周年を迎えました。ここでは、芸術監督の金森穣にインタビュー! 設立のきっかけから現在までの道程、今後の構想をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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交渉で最も苦心したことは?

金森>Noismを立ち上げたことで、りゅーとぴあの事業予算が増えた訳ではないんです。新しく予算をつけてもらった訳ではなく、劇場がもっている予算の使い方を変えましょうと提案をした。東京でやってる作品を高額なお金を払って買うのではなく、東京もしくは世界に発信していくものをここ新潟でつくろうと、そのために予算を使いましょうと。東京や海外でつくられた作品を買うことで消費していた事業費を、人材雇用、そして育成の為に使いましょうということです。

芸術監督にはなったものの、当初は舞踊部門として予算がどれだけあるのか自分には明かされていなかった。だから、まずはそれを明確にしてほしいと伝えました。劇場を運営している財団の職員と毎週Noism会議をやりましょう、と提案もしました。意識の違いを埋めていくことが必要だった。自分としてはヨーロッパで活動していた時に当たり前に得ていたものを要求していた訳だけど、彼らにしたら私の信じる劇場文化がどういったものなのかわからない。そうなるとやはり私自身が何を必要としていて、どうしてそれを欲しているかということを全部説明し、さらに活動を通してそれを立証していかなければ納得はしてもらえない。

伝え方もそうだし、言葉の選び方も勉強しなければいけない。彼らの言語を理解して伝えないと、最初から“意味がわかりません”と拒絶されてしまう。そのためにも、自分が当たり前だと思っていたものをもう一度意識化し、言語化してゆく力を養いました。それはもう大変な作業でした。

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『PLAY 2 PLAY - 干渉する次元』(2007年) 撮影:篠山紀信



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