輸入車/注目の輸入車試乗レポート

蘇った“スティングレイ”シボレーコルベット(2ページ目)

最新モードをまといつつも、コルベット以外の何モノでもない7世代目がついに日本にも登場。長年のファンさえも驚かせる、「オーバー2000万円のヨーロッパ勢に並び立った」走りとは。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

コルベット以外の何モノでもない

シボレーコルベット

ボディサイズは全長4495mm×全幅1880mm×全高1230mm(クーぺZ51 写真)

鋭いラインの数々が特徴的なエクステリアデザインは、C3スティングレイのグラマラスなコークボトルルックを彷彿とさせるもの。ちなみに、このC7、本国ではC3以来となる“スティングレイ”の名称を復活させている。C5以来のレース活動経験から得られたエアロダイナミクスを応用しており、新しいけれども、どこからどう見てもコルベットなスタイルに仕上がった。
シボレーコルベット

カーボン/アルミニウム/レザーを用いたインテリア。小径ステアリングやヘッドアップ・ディスプレイなども備わる

シボレーコルベット

ドライバーモードセレクターはシフト横のスイッチで操作。モード選択により、スロットルレスポンスなど12種類の制御システムを操る

インテリアの見栄え質感も、そうとうに高い。コルベットの内装というと、少し前までは本当に安っぽかったが、C7はまるで違う。フルラップレザーのダッシュボードフェイシアによって囲まれたコクピットの周りには、アルミニウムやカーボンファイバー、レザーハイドといった高級マテリアルがふんだんにあしらわれた。欧州プレミアムブランドに勝るとも劣らないフィニッシュだ。

センターコンソールには、ついにドライビングモードを選ぶダイヤルが備わっていた。逆にいうと、走りの電子デバイスが必要になったくらい、コルベットのスポーツカーパフォーマンスが現代レベルに高まったということだ。

選択モードは、ウェザー、エコ、ツアー、スポーツ、トラックの5種類(デフォルトはツアー)。各モードに合わせて、ステアリングアシスト量、スロットル開度、燃料マネージメント設定、エグゾーストシステムのモード、マグネティックライド(装着車)設定、トラクションコントロールにスタビリティコントロールの設定、そして、メーターディスプレイの組み合わせが変化するというもの。
シボレーコルベット

旧型のスチールより45kg軽く、57%剛性が高まったアルミフレームを採用。カーボン製エンジンフード、カーボン・ナノコンポジット製アンダーパネル、複合素材のフェンダーやドアなどの軽量素材が用いられ重量を1580kg(Z51)とした

シボレーコルベット

V8エンジンはベーシックモデルで460ps/624Nm、Z51では466ps/630Nmを発生

心臓部は、LT1 6.2リッター可変バルブ直噴V8。気筒休止システムが装備される。最高出力460ps&最大トルク640Nmで、なるほどM君の言うZ06に積まれていたLS7 7リッターV8の実用域トルクと、同じトルクパフォーマンスを誇っている。エコモードでの高速走行では12km/l以上という燃費の良さで、このあたりもまた意外にも欧州勢に比べて優位な点である。

オールアルミニウムのボディフレームも見どころの一つ。旧型のC6では高性能モデルのZ06やZR1にのみ使われていた、レーシングフィールドからのフィードバック技術である。今回は新設計としたうえでベースモデルにもこの手法を採用した。逆にいうと、すでに先代のZR1あたりで、欧州の名だたるスーパースポーツと同等の絶対性能を得ていた、というわけなのだが……。

あらためて、日本の路上で見るコルベットは、いかに最新モードで身を包み、過去3世代からの呪縛から逃れようとしたとはいえ、やはり、コルベット以外の何モノにも見えない。それでいて、十分に新しく見えているから、デザイナーの力量を称賛すべきだろう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます