乾式クラッチを採用した7速DSG

車両価格は従来のエントリーモデル「ゴルフE」の3万円高となる248万円

フォルクスワーゲン(以下VW)では、新世代トランスミッション「DSG」を開発し、数年前より実用化しています。DSGは、いわゆる2ペダルMTとかセミATと呼ばれる機構のひとつで、もともとポルシェのレーシングカーに採用された技術をベースとするデュアル・クラッチ・トランスミッションです。ふたつの出力軸を持ち、それぞれにクラッチを配して奇数段と偶数段のギアを受け持たせているのが特徴。これにより、従来のクラッチ操作を人間にかわって機械が行なうようにした2ペダルMTに対し、DSGは途切れのない素早いシフトチェンジを実現しています。

世界初の横置き7速DSGを搭載。このクラスで7速という点も特筆できる。6速と7速がオーバードライブとなっている

そして、このほど発売されたゴルフTSIトレンドラインに搭載されたDSGは、従来は湿式クラッチを採用していたところを、新たに乾式クラッチを採用し、ギア段数をひとつ増やし7速としました。ただし、これを搭載したトレンドラインというグレードは、ゴルフの中でのエントリーモデルであって、けっしてGTIやR32のようなスポーティモデルではありません。また、DSGに対するVWの考え方も、ドライビングプレジャーを追求したというよりも、伝達効率を向上させる上で有効な手段と捉えているようです。

トレンドラインの室内。もともとつくりのよい内装は、ちょっと味気ないほどシンプルだが、エントリーグレードとしては上々の質感といえる

それでも、2ペダルMTの中でも世界を代表的存在として、スポーティなドライブフィールに期待するユーザーも少なくないはず。そもそもDSGは、ゴルフの上級スポーティモデルであるR32やGTIより導入された経緯があるので、そうしたイメージを抱いている人も多いことでしょう。ちなみに筆者の同業者でも、取材時にDSGを体験して、「これに乗りたい!」とゴルフGTIを購入してしまった人もいるくらいですから……。

そこで今回は、この新開発の乾式クラッチ7速DSGについて、スポーティなフィーリングに期待するマニュアル派にも満足できるかどうかという視点も交えてレポートしたいと思います。

10・15モード燃費は国内の歴代VW車で最高となる15.4km/L。ただし、使用燃料はハイオクとなる


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