「裁判書類作成」業務を行うために合格する必要がある試験

この「裁判書類作成」を業務として行うために合格する必要がある試験は、次回の記事で取り上げる訴訟代理と異なり、司法書士試験のみとなります。よって、ハードルは、訴訟代理よりも少し低くなります。


訴訟代理の可否

裁判書類作成業務には、「訴訟代理権」がありません。この訴訟代理権があるかどうかは裁判業務においてかなり重要な問題となります。それでは、「訴訟代理権」とは何でしょうか。簡単に言うと、“柵を超えられるかどうか”ということです。訴訟代理権があれば柵を超えられますが、訴訟代理権がなければ柵を超えられません。「柵」とは、法廷内にある傍聴席とを仕切っている柵のことです。ドラマやニュースの映像などでご覧になったことがあると思います。

柵を超えられる(=訴訟代理権がある)と、依頼者自身が法廷に行かなくても、訴訟代理人(弁護士や認定司法書士)が代わりに行けばよいことになります(依頼者が法廷に行っても問題はありません)。これが、依頼者の「訴訟」上の「代理人」になれるということです。ドラマでは、依頼者が弁護士とともに出廷しているシーンが多いですが、実はあれは弁護士のみが出廷していても構わないのです(ドラマでも弁護士のみが出廷しているもシーンはあります)。

しかし、この裁判書類作成業務には、訴訟代理権がありませんので、依頼者自身に法廷に行ってもらう必要があります。それでは、司法書士は何をするのでしょうか。

司法書士が行うのは、裁判に必要な書類の作成です。ドラマでは、ほとんど取り上げられることはありませんが、実際の裁判では多数の書類を出す必要があります。書類とは、訴状や答弁書などのことです。「訴状」「答弁書」など、名前を聞くだけで難しそうですが、実際に作成するのも難しいです。

作成には法的知識、具体的には要件事実、民事訴訟法、民事訴訟規則などの知識が必要になります。このように法律知識が必要となりますので、「難しい書類の作成は司法書士に任せる」という依頼者も、いらっしゃいます。訴訟代理という形で、書類作成だけでなく弁論なども弁護士などに任せたほうが楽なのですが、そうすると費用が高額になってしまうため、「基本的に裁判は自分で行うが、難しい書類の作成は司法書士に任せよう」というニーズがあるのです。