チーズ/おすすめブルーチーズ

ロックフォールと同ルーツ!“ブルー・デ・コース”(3ページ目)

有名なフランスのブルーチーズ、ロックフォール。そのロックフォールの生産地とほぼ同じ地域で、ブルー・デ・コースという、ロックフォールそっくりなブルーチーズが作られています。そんなブルー・デ・コースが生まれた背景や、ロックフォールとの違いも含めてブルー・デ・コースの魅力を紹介します。

小笠原 由貴

執筆者:小笠原 由貴

チーズガイド


ブルー・デ・コースのカーヴでの熟成の様子

ひんやりとした空気の地下カーヴ。木の棚も床もびちょびちょと言えるくらいに濡れていますが、これはカーヴ内の湿度が高いため自然にこうなるとのこと。チーズの状態が安定しないため、残念ながら現在この木の棚は使っていないそう。

つややかに濡れたカーヴ内は、常に湿度が98%以上だそう。

つややかに濡れたカーヴ内は、常に湿度が98%以上だそう。



代わりに使われているのがこちらのプラスチックケース。ちょっと味気ない気もしますが、こちらの方が衛生的でチーズの状態も安定するそうです。

布をめくると、こんな風にチーズが並んでいます。

熟成中のチーズたち。最近はこうやってプラスチックケースに入れて熟成しているそう。



案内してくれた方が、熟成中のブルー・デ・コースをひとつ取り出して下さいました。見た目はロックフォールと見分けが付きません。
そして表面にぷつぷつと穴があいているのが見えますが、これは好気性の青カビが繁殖しやすいよう、熟成前に針で刺して穴をあけたため。そしてこの穴の数は季節によって増減し、年間通して同じ状態でカビが広がるよう調節されています。

ブルー・デ・コース

ブルー・デ・コース



次に、トライヤーという道具を使って中の組織を取り出し、状態をチェック。
こうして青カビが十分に広がったことを確認したら、錫箔に包んで空気と光を遮断。カビの繁殖を押さえつつ更に熟成されます。
なお、この追熟前のチーズは苦くて美味しくないそう。さらに時間をかけて静かに熟成される事で、旨味や風味が醸されていきます。
中を取り出して、カビの入り具合をチェックします。

中を取り出して、カビの入り具合をチェックします。



そして熟成に欠かせないのが、“フルリーヌ”と呼ばれる風。石灰岩の隙間から入り込んだ空気がここから洞窟内に入って抜けていくのですが、その空気の流れが温度・湿度を調整し、チーズを美味しくしてくれます。穴には扉も取り付けられていて、その扉の空け具合で風量も調節できます。
フルリーヌが必要というのもロックフォールと同じで、元は同じチーズだった事を実感させてくれます。

ロックフォール同様、ブルー・デ・コースの熟成にもフルリーヌと呼ばれる風が必須。この穴から流れ込んだフルリーヌが洞窟内を流れ、温度と湿度を一定に保ちます。

ロックフォール同様、ブルー・デ・コースの熟成にもフルリーヌと呼ばれる風が必須。この穴から流れ込んだフルリーヌが洞窟内を流れ、温度と湿度を一定に保ちます。



見学の最後にはお楽しみの試食。地元の人と同じように、少し甘めの白ワインと一緒に。最高の状態でいただくブルー・デ・コースは、旨味豊かでボリューム感があり、余韻も長くて美味。改めて美味しいチーズだな、と再確認です。

お楽しみの試食。バゲットに塗ったブルー・デ・コースは少し甘めのワインと共に。

バゲットに塗ったブルー・デ・コースは少し甘めのワインと共に。


>>次のページでは、ブルー・デ・コースの選び方、保存方法、美味しい食べ方についてご紹介します。

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