コンテチーズとは

 
コンテチーズの食べ方を紹介!フランスで愛されるハードタイプチーズ

コンテ(Comte)

チーズの国フランスで、ダントツ1位の消費量を誇る「コンテ(Comte)」。フランスの東部、スイスと接するフランシュ・コンテ地方で作られているハードタイプの大きなチーズです。

愛されるのにはもちろん理由があり、香り高く風味豊かで、いつ食べても本当に美味しい。チーズらしいベーシックさを持ちながらも食べるほどに複雑さを感じさせてくれる奥の深いチーズで、何度食べても飽きさせません。作り手、熟成期間、季節等、様々な条件の違いにによって1つ1つ味わいが異なるのも魅力です。

今回は、そんなコンテについてご紹介したいと思います。 

<目次>  

熟成期間やタイプは?コンテチーズの基本データ

  • タイプ:ハードタイプ
  • 原産地:フランス、フランシュ・コンテ地方
  • 原料乳:牛乳(無殺菌乳)
  • 熟成期間:最低4か月
  • 固形分中脂肪分:最低45%
  • 大きさ・形:直径60~70cm、高さ約10cm、重さ約40kgの円盤形
  • 旬:1年中
  • A.O.C.(原産地呼称統制)取得:1958年
簡単に言うと、“クセが無くて誰でも食べやすい、そしてとびきり美味しい大きなハードタイプチーズ”、というところでしょうか。しかし、このコンテ、なんと1000年以上もの歴史を持つ、とても奥の深いチーズなのです。
 

コンテチーズが生まれるテロワール

コンテ地方の風景とモンベリアード

フランシュ・コンテ地方。モンベリアード牛がのびのび暮らしています。(※)

コンテが作られるのは、フランスのジュラ山脈一帯。スイスとの国境、フランシュ・コンテ地方です。500~1700mの山々が連なる、自然豊かで美しいこの地方では、さまざまな植物が育ち、花が咲きます。

当然ながら、フランシュ・コンテ地方の中でも違う場所では違う植物が育ちます。その土地土地の多様な植物を食べた牛たちが出すミルクには、食べ た草花の風味が移り、さらにその風味・栄養はチーズへと移り素晴らしいアロマとなります。
 
コンテ地方に咲く花々

牛たちは、こんな高原の草花をたっぷりと食べて美味しいミルクを出します。(※)

ですから、同じコンテ地方でも場所により、季節により、出来上がるチーズの味や香りが違ってくるのです。まるでワインのようですが、その唯一無二のテロワール、つまり、その土地の独自性がコンテを素晴らしいものにしています。

ちなみに牛たちは、夏は牧草地で自然に育つ草花、冬はその干し草を食べます。そしてチーズ作りは、半径25km圏内で搾乳されたミルクのみで行う事が決められています。それだけ、その土地の特性が大切にされているのですね。
 

コンテチーズの製法

コンテ作りは、酪農家、チーズ工房(フリュイティエール)、そして熟成士(アフィヌール)、この3者の連携によって伝統的な製法で行われます。

まずは酪農家による牛の育成、搾乳です。

酪農家が育てているのはモンベリアード種の牛。その土地に自然に生えるている草花を食べ、健康に育った牛から風味豊かなミルクを絞ります。しかし、40kg以上もある大きなコンテ。1個作るのには450L以上ものミルクが必要となります。農家1軒だけでは、毎日この量を安定して賄いきれないため、1000年以上も前から複数の酪農家が協力し合い、村の中心にある“フリュイティエール”と呼ばれるチーズ工房へミルクを集めます。こうして集められたミルクは、搾乳後24時間以内にチーズへと加工されます。

そして、ここからのチーズ作りはチーズ工房へと引き継がれます。
 
フリュイティエール

チーズ工房(フリュイティエール)(※)

カードの状態チェック

カードの状態をチェック中…(※)

チーズ工房では、まず大きな銅鍋でミルクを約30℃に温め、レンネット(凝乳酵素)を加えます。

しばらくすると固まるので、その固まったミルクを細かくカットすると、水分(ホエー)と固形分(カード)とに分離していきます。

さらに55℃まで温度を上げてカードの中の水分をさらに抜き、カードの弾力がちょうど良いものになったら、穴の開いた型に鍋の中身を入れて水分を抜きつつ 半日ほどプレスします。

すると型の形に固まり、フレッシュな“ホワイトチーズ”が出来上がります。そのホワイトチーズを工房内の熟成室で3週間ほど熟成させます。ここまでがチーズ工房の仕事です。

3週間後、コンテは地域内の熟成業者の熟成庫に移され、さらに長い時間をかけて熟成されていきます。

なお、牛が青草を食べる時期に作られたコンテは、植物のカロテンがチーズに移って黄色味が強くなります。また、干し草を食べる時期に作られたコンテはカロテンが少ないため、白っぽいアイボリー色となります。どちらが良いというのは無く好みの問題ですが、作られた季節や色でコンテを選ぶのも面白いものです。
夏作りコンテ&冬作りコンテ

右が夏作りのコンテ、左が冬作りのコンテ。色の違いは、熟成期間ではなく牛が食べたものから。

 

コンテチーズの熟成

熟成中のコンテ

熟成中のコンテ(※)

熟成業者にバトンタッチされ、大きな熟成庫に移されたコンテ。本格的な熟成がいよいよはじまります。熟成期間は最低4か月。実際は、6か月、12か月、18か月、24か月と、さらに長い時間をかけてじっくりと育てられます。

その長い熟成期間の間、熟成士は定期的にコンテに塩を擦り込んでは磨き、ひっくり返すという作業を繰り返します。さらに、そのコンテに合った温度や湿度の熟成室へと移動させ、コンテの力をを最大限に引き出していきます。熟成される事で、コンテのタンパク質はアミノ酸に変化し、フレッシュなミルク風味だった香りも、ナッツやスパイス、フルーツ、そしてロースト香等を含む複雑なアロマへと変化していきます。

十分に熟成したコンテは、最後に熟成士によって品質をチェックされ、いよいよ出荷です。
 

コンテチーズの品質管理

出荷前のコンテは、熟成士によって一つ一つ点数で評価されます。

まずは、ソンドゥと呼ばれるハンマーで叩いて内部の亀裂等をチェックした後、トライヤーと呼ばれる、チーズの中身を取り出す道具で内層の味、香り、質感、そして見た目も確認します。
 
緑のラベル

コンテの"緑のラベル"

こうして20点満点で採点された結果、12点以上のものだけが「コンテ」を名乗る事ができます。12~13点が茶色のラベル、そして14点以上のものが緑色のラベルを貼られて出荷されます。(※規定の変更により、以前は使われていた"コンテ・エキストラ"というカテゴリーは無くなり、14点以上は単に、"緑のラベル"と呼ばれるようになりました)

なお、11点以下のものはコンテを名乗れず、プロセスチーズの原料となってしまいます。
 

コンテチーズの食べ方……相性が良いおすすめ料理は?

カットコンテ

切り方によっても味わいの感じ方は変わります。また、熟成期間違いで食べ比べるのも面白い。

コンテとミルク

ミルクと共におやつにしても!

まずは塊のコンテをカットしてそのまま食べてみましょう。切りたてのチーズからは華やかなミルクの香りが広がり、食べると風味豊かなナッツのようなコクがあります。余韻が長く深い味わいは、それだけでも幸せな気持ちにしてくれます。さらに、ドライフルーツやジャム、蜂蜜、ナッツと合わせて食べるのもおすすめです。

なお、コンテを食べる時の最適温度は15~18℃。食べる少し前に冷蔵庫から出しておくと良いでしょう。

合わせるワインは同郷のヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)が王道ですが、ジュラの白や軽めの赤、シャンパーニュや日本酒とも素敵なマリアージュです。
 
ひらひらコンテ

サラダの上にひらひらと薄く削ってのせると、香りが立ち、口どけも良くて美味しい(写真提供:la nature)

そして、コンテは料理に使ってもとても美味しいチーズ。バゲットに挟んでサンドイッチにしたり、スライサーでひらひらと薄く削ってサラダにトッピングするのもおすすめ。また、焼いてアツアツとろとろにしてもさらに美味。グラタンやチーズフォンデュ、キッシュ、オムレツ等にもよく使われます。でも、美味しすぎて、食べすぎには要注意です!
 
コンテ&ラベンダー蜂蜜 by ファビアン

コンテの中にラベンダーの蜂蜜をしのばせたアミューズ。シンプルだけれど、コンテの美味しさが引き出された印象的な一皿。



1000年以上も前から大切に作り続けられてきたコンテ。コンテならではの風味を育んだ自然の力ももちろん偉大ですが、その伝統的製法と味を守り続けてきた、コンテに係わる人々も本当に偉大。そんな恵みに感謝しつつ、コンテを味わってみて下さい。
コンテ生産者協会来日時

コンテ生産者協会の方が来日された時の1枚。皆さん、コンテが大好きで情熱を持って仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。

(※)写真提供:コンテチーズ生産者協会 www.comte.jp


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