乾隆帝ゆかりのシューマイ店　都一処／北京(2ページ目)

都一処のシューマイの秘話

現在、都一処といえばシューマイなわけですが、このシューマイがメニューに加わったのは、乾隆帝の訪問から100年以上も経ってからのこと。しかも、そのシューマイが名物と言われるまでになったのは、清朝が滅亡後の中華民国時代（1912～1949年）でした。

当時、都一処の店主は李という名の人物だったのですが、彼は毎日のように賭け事や女遊びにうつつをぬかし、経営はとてもずさんなものでした。しかも店員の給与は下げられ、まかないはとても貧しく、怒った店員たちは一致団結し、シューマイの具の質を上げ、思いっきり多くつめ、いわゆる「コストを上げる」ことで李店主に仕返しをしたのです。しかしこれが評判になり、都一処のシューマイはボリュームたっぷりで美味しい！と言われるようになったというのですから、まさに怪我の功名ですね。

都一処のシューマイの美味しさの秘密

都一処のシューマイは、昔ながらの手法を厳格に守って作られています。皮の大きさは直径約11センチ、その厚さは周りの薄い部分が0.5ミリ、中心の厚い部分が1ミリ、中の具は60グラム、包む際のひだは24以上と細かく決められているのです。

シューマイは「三鮮焼売（39元）」や「豚肉焼売（32元）」、「羊肉焼売（36元）」、「浄素時蔬焼売（野菜焼売/29元）」、そして以上の4種をセットにした「什錦焼売（36元）」という定番のものだけでなく、季節の旬の具材を使ったシューマイが数種類用意されています。シューマイは具材によって1つのセイロに6～10個。ボリュームたっぷりなので、一人1セイロでお腹いっぱいになります。女性二人ならば、お好みのシューマイ1セイロに、冷菜1皿、熱菜1皿ほど頼めば十分です。

シューマイだけじゃない！ 都一処のイチオシメニュー

乾隆帝が食べたと伝わる「馬蓮肉（豚肉の冷菜/42元）」と「炸三角（三角揚げ/15元）」はぜひ試してみたい逸品です。その他、乾隆帝の名にちなんだ「乾隆白菜（白菜の胡麻味噌和え/28元）」もおすすめです。そして、シューマイを食べる際、のどの渇きを潤すためにお粥を飲むのが粋な北京人風！ 紅豆粥（あずき粥）、小米粥（アワ粥）、八宝粥（雑穀や豆類、木の実が入った粥）が各10元で用意されているので、ちょっとツウを気取ってシューマイのお供にお粥をどうぞ。また、ここ都一処は艾窝窝、驢打滚、豌豆黄など、かつて皇帝や皇后が愛した北京の伝統スイーツも充実！まさに北京の伝統食を楽しめる名店なのです。

＜DATA＞
■都一処
住所：西城区前門大街38号
TEL：010-6702-1555
営業時間：9:00～21:00
アクセス：地下鉄2号線「前門」駅徒歩約5分