極上の北京ダックを庶民価格で供す四合院レストラン
「利群【火考】鴨店」

北京ダックレストラン「利群【火考】鴨」

今では貴重な存在となった清朝末期の四合院をそのまま利用している (C) 利群

北京ダックレストラン「利群【火考】鴨」

炉で焼かれる直前のダック。一羽一羽丹精込めて調理される (C) 利群

清朝皇帝が愛した北京ダックを忠実に再現する名店。フランスのヴァレリー・ジスカール・デスタン氏が大統領時代に来店したことは北京では有名な話で、その他、国内外の要人、芸術家や映像界など文化人が得意客として名を連ねています。

利群北京ダック店は1992年、北京ダックの老舗「全聚徳」の料理人だった張立群氏が伝統的な宮廷料理の味を再現するために始めました。当時、北京の下町・前門にひっそりと誕生したこの小さなレストランは特に宣伝をすることもなく、ただその“味”だけでクチコミがクチコミを呼び、北京ダック屈指の名店としての地位を確立しました。ある有名人が「派手に客人をもてなすなら大型店。自分のために食事をするなら利群」と言っていたのですが、まさに言い得て妙! 気取ることなく、まったりと至福の美味しさを堪能できるレストランです。

北京ダックレストラン「利群【火考】鴨」

典型型セット(Traditional Style)438元/3~4人前)。基本セットメニューに7メニュープラスされた超お得なセット (C) 利群

ここの北京ダックの最大の特徴は“香り高さ”です。頬張った瞬間に甘い香りがふんわり口の中に広がる…… それはナツメ、リンゴ、ナシなど果物の薪でダックを焼き上げているからです。以前は高粱の茎で焼くのがメインだったのですが、張立群氏は伝統的な香り高い北京ダックを蘇らせるため、コストを度外視して果物の薪を使うことにしたとのこと。現在、多くのレストランは手間やコストを省くために、電気オーブンを導入しています。確かに電気オーブンは味の均一化や大量生産を可能とします。しかし、利群が求めるのはあくまで本物の味。今でも伝統的な釜を用いて、一羽一羽丁寧に調理しているのです。また、使用するダックは品種・飼育方法にまで心を配った北京郊外産の一級品だけに限定し、北京ダックを包む皮「荷叶餅」は向こうが透き通る薄さに徹底するなど、細部にまで妥協しないこだわりが伝わってきます。

北京ダックレストラン「利群【火考】鴨」

標準型(Chinese Style)セット(438元)。北京ダックの基本セットメニューに6メニュープラスされた超お得なセット (C) 利群

利群北京ダック店のもう一つの魅力は清朝庶民の四合院をそのまま利用した店構えです。レストランは大通りからかなり奥まった胡同の奥にひっそり佇み、足を踏み入れた瞬間にいにしえの北京にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。有名店の多くが店を煌びやかに改装していく中、利群は時代に流されることなく、「最良のものを提供する庶民の店」というモットーを貫き通しているところに、張立群氏の匠の心を感じずにはいられません。

<北京ダック>
■基本セットメニュー 240元
内容:北京ダック1羽、荷叶餅(ダックの皮)14枚、キュウリ・ネギ・自家製タレ(それぞれ1人前)
■一鴨両吃(ダック一羽で二通りの味わい)セット 265元
内容:基本メニューに「椒塩鴨架(肉を削ぎ取った後のダックのから揚げ)」をプラス
■一鴨三吃(ダック一羽で三通りの味わい)セット 285元
内容:一鴨両吃に「鴨架湯(ダックのガラスープ)」をプラス

※お客様一人ひとりのためにダックを焼くため、半羽での販売はナシ。基本、北京ダックの注文は要予約です。

<DATA>
■利群【火考】鴨店
住所:東城区前門外北翔風胡同11号
TEL:010-6705-5578、6702-5681(北京ダックは予約制)
営業時間:11:00~22:00
アクセス:地下鉄2号線「前門」駅徒歩約15分


利群以外のおすすめ北京ダックレストランは「北京の北京ダックレストラン」で紹介しています。あわせてチェックしてみてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。