お金の基本方針の書き方・使い方
■自分の考えをまとめ、相手に伝え、2人の意見をまとめる「お金の基本方針」は、ライフプランづくりや、重大なライフイベントの意思決定の際の拠り所となる。
最初から、意見を出し合うようなスタイルで始めると、相手に遠慮して伝え切れなかったり、途中で、意見の食い違いが生じて、意見がまとまらず、最後の項目までたどり着かずに、中途半端な状態でやめてしまったりすることが考えられるからです。
項目ごとに2人の意見がなかなかまとまらないことも当然考えられますが、自分の考えをそれぞれが最初にまとめておくことで、少なくとも全ての項目について、自分の考えを相手に伝える、ということはできるのです。
2人の意見を「お金の基本方針」に一通り書き終えたら、もう一度、読み返してみて、全体のバランスが取れるように修正して、完成です。
■「お金の基本方針」の活用方法
できあがった「お金の基本方針」の活用方法を3つ紹介します。
●ライフプランをつくるのに活用する
ライフプランとは、「自分らしく幸せな人生を送るための人生設計」のことをいいます。人生には、結婚・出産・育児・教育・住まい・老後などのさまざまなライフイベントがあります。そのライフイベントについての計画だけではなく、人生をより豊かにするための生きがい・健康づくり・キャリア形成など生活全般に渡る総合的な計画のことを言います。
ライフプランの大切さは理解していても、「いざ、作ってみよう!」という段階になると、「何から手をつけてよいかわからない」と思われる人も多いでしょう。それは、人生や、生活、お金に対する基本方針がないからです。「お金の基本方針」に書かれているライフイベントに関する事項を時系列に並べてみると、それがライフプランの骨格になります。
●重大な意思決定の際、迷ったときの拠り所となる
出産、転職、マイホーム購入など人生の中でも重大な意思決定をするときに、いろいろ思い悩んで、なかなか結論を出せないということもあるでしょう。そんな時は、お金の基本方針に立ち戻り、判断材料の1つとして、活用するのもよいでしょう。
●婚姻契約・結婚契約の代わりとして活用する
契約社会の欧米では、結婚前にカップルで「結婚契約書」(プレナップ)を交わすことはめずらしくありません。訴訟社会を前提に将来の訴訟に備えて、という側面だけではなく、結婚して夫婦となる2人の将来をうまくやっていくための決め事を明確にしておくという側面も持っているのです。日本では、結婚契約書という正式な文書にすると、「なんだか堅苦しい」とか、「結婚って契約じゃないよね」といって、受け入れにくいかもしれません。けれども、お互いの気持ちを知り、2人の合意の取れた基本方針があることは重要です。そこで、堅苦しくない形として、「お金の基本方針」を作ることをお勧めします。
お金の基本方針も定期的な見直しが必要
消費税増税だけでなく、今後も家計の負担が増加するなど、ますます厳しさを増す世の中で、豊かな人生を送るためには、夫婦で一致団結して人生に取り組むことが重要になってきます。パートナーとの意識合わせをするためのツールとして、「お金の基本方針」を活用していただければと思います。また、「お金の基本方針」は、一度作ったら終わりというわけではなく、人生の中の大きなライフイベントのたびに見直し、少し長い期間をおいて5年ごとに見直すことをおすすめします。生活環境の変わる4月に、パートナーと一緒に「お金の基本方針」づくりにチャレンジしてみてください!
【関連記事リンク】
・消費増税だけではない!? これからの家計負担増加は?
・人生100年時代!?のライフ&マネープラン術
・「2人の夢シート」で、幸せになる方法
・2人で幸せになる「3つの資産運用シート」
・家計の「見える化」で、安心マネープラン