ベルギー/ブリュッセル

ブリュッセルの山の手と王宮周辺をまわる半日プラン(2ページ目)

ブリュッセルという都市名は聞いたことがあっても、いったいどこの首都か知らない人も多いのでは? 欧州のほぼ真ん中あたりに位置し、ベルギーの、そして今日EUの首都でもあるブリュッセルは、歴史的・文化的見所の宝庫。しかも、ほとんど歩いて回れるコンパクトさが、旅行者には大きな魅力。王宮と山の手周辺をご案内しましょう。

栗田 路子

執筆者:栗田 路子

ベルギーガイド

ロイヤル広場と王宮周辺

芸術の丘の公園を通りぬけ、高台に昇り始めたら、何度かグランプラス方向を振り返ってください。美しいブリュッセル旧市街の俯瞰がまるで絵のように見え始めます。

鋳鉄を駆使したアールヌーボ様式だ

1900年建立の楽器博物館

王宮広場へ行く坂の途中、左手には1900年に、英国のデパートとして建設された鋳鉄を駆使したアールヌーボー様式のユニークな建物が見えます。現在は、楽器博物館(MIM)となっているこの建築物の最上階には、見晴らし最高のカフェ・レストランがあり、博物館に行かなくても利用することができます。

<DATA>
MIM(楽器博物館) 
開館時間:火~金曜9:30~17:00 土・日曜10:00~17:00
入場料:12ユーロ(65歳以上9ユーロ、4~25歳2ユーロ、3歳以下無料)※毎月第1水曜は13:00~無料

 

銅像は第一回十字軍のブイヨン将軍

ロイヤル広場

坂を昇りきると「ロイヤル広場」。この中心に建つ、馬に跨る銅像は、第一次十字軍を率いたブイヨン公ゴッドフロワ。欧州のキリスト教史を語るに欠かせない十字軍の将軍が、ベルギー南部アルデンヌ地方出身であったことは、あまり知られていません。彼が抜擢されたのは、言語に堪能で、ラテンとゲルマンの両方の軍隊を指揮できたからというのは、いかにもベルギーらしい逸話です。

現在、執務王宮のある一帯は、12世紀以来、侯爵一族が住んできた高台。その栄枯盛衰の様子は、今でも、地下遺跡(Coudenberg)として保存され、ベルビュー博物館の一部として見学することができます。16世紀には、神聖ローマ帝国皇帝でスペイン王も兼任したカルロス5世の宮殿になったわけですが、18世紀の火事で全焼。その後、19世紀に区画整備され、現在の姿になりました。

 

(c)visitbrussels-Kerchove

国王が執務する王宮

現在、王室の居城は、ブリュッセル北部ラーケンという地域にあるので、ここは執務王宮。ナポレオン失脚の後、いったんオランダ領となり、オランダ王ウィリアム1世の居城として建てられました。それを初代のレオポルド一世が用い、第二代国王レオポルド二世の時代に大きく手が加えられ、現在のネオクラシック様式となりました。毎年、夏季休暇中の8月には一般に公開されます。バッキンガム宮殿やベルサイユ宮殿と異なり、スイスイと入れるので、訪れてみるのも悪くありません。

 

目の前に広がるフランス式の庭園は、ブリュッセル公園。クーテンブルグ候の時代には王侯貴族の狩猟地として愛されたこの緑地は、今では、市民の憩いの場となっています。現在、周りには、国会議事堂、首相官邸、国立芸術堂(BOZAR)、ベルビュー博物館(王朝の歴史博物館)などがあります。

<DATA>
Ancien Palais Coudenberg/Voormaug Paleis Coudenberg(クーデンベルグ城遺跡)
開館時間:火~金曜9:30~17:00、土・日曜10:00~18:00
単独入場券:大人6ユーロ(65歳以上5ユーロ、18~25歳4ユーロ、17歳以下無料)
共通入場券:大人10ユーロ(65歳以上8ユーロ、18~25歳7ユーロ、17歳以下無料)
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