大学生の奨学金/申込み時や返済時の注意点・落とし穴

奨学金の落とし穴対策・ろうきんの入学時必要資金融資(3ページ目)

奨学金の支給開始は大学進学後となっています。これは高校時代に予約採用で申し込んでいても同じです。しかしながら、入学金や前期分授業料など入学前にかなり大きなお金を納めなくてはいけません。今回は日本学生支援機構の奨学金と連動した労働金庫の特殊な教育ローンについて解説いたします。

久米 忠史

執筆者:久米 忠史

大学生の奨学金ガイド


「入学時必要資金融資」申込みまでの流れ

ろうきんの「入学時必用資金融資」は、日本学生支援機構の入学時特別増額貸与奨学金を担保にして、短期間だけ学生自身がお金を借りる仕組みであることは前に述べました。

この入学時必用資金融資を申請するまでの流れも少し複雑なので順を追って解説いたします。
解説画像

「入学時必用資金融資」申請までの流れ

まず、予約採用の第一回目に申し込むと10月下旬頃に高校を通して“採用候補者決定通知書”を受け取ります。

通知書には、採用された奨学金の種類や申し込み時に選択した利率の算定方法、保証制度などが記載されています。

そして、入学時特別増額貸与奨学金を希望した人の欄には「申告不要」「申告必要」のいずれかが明記されています。

「申告不要」とは、家庭の収入が基準以下なので入学時特別増額貸与奨学金の採用が決定しました、という意味です。したがってその場合は直ぐに、ろうきんで入学時必用資金融資を申し込むことができます。

かなり面倒でわかりづらいのが「申告必要」の場合です。

「申告必要」とされた人は、次の手続きとして保護者が日本政策金融公庫の国の教育ローンを申請しなくてはいけません。

そこで国の教育ローンの審査が通れば、入学時特別増額貸与奨学金が不採用となるので、入学時必用資金融資の権利が無くなります。つまり、入学前の費用は教育ローンで賄ってください、という意味ですね。

一方、国の教育ローンが不採用となると、入学時特別増額貸与奨学金の採用者となり、ろうきんの入学時必用資金融資を申し込む権利が発生することになるのです。

なお、ろうきんのこの制度にもいくつかの条件と審査があり、100%採用されるわけではない、ということを最後に申し添えておきます。

保護者にしてみれば、あちらこちら手続きに振り回されて大変ですが、入学手続き費用の納付期限をキチンと把握したうえで、早めに行動することが大切です。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます