『レズビアン的結婚生活』

『レズビアン的結婚生活』

著:東小雪+増原裕子/漫画:すぎやまえみこ/イースト・プレス刊/1000円+税

レズビアン的結婚生活』はコミックなので、たとえば、お二人がTDRで結婚式を挙げたいと申し込む場面なんかも、いっしょにお風呂に入ってて「ひろこちゃん知ってる? シンデレラ城で結婚式ができるようになったんだよ」「それって同性どうしでもできるのかな? できるなら挙げようよ」「キャーひろこちゃん、ありがとう!」という流れから、さっそく小雪さんが(裸にバスタオルを巻いただけの格好で)申し込みの電話をかける、という楽しい描写になっていたりします。とてもかわいらしい絵柄で(過度に少女漫画ではない、自然なかわいらしさ)、お二人の物語が生き生きと展開されていきます。

かといって、結婚式のエピソードばかりではなく、そもそも二人はどのように出会ったのか?とか、つきあいはじめてから起きたいろんな事件(小雪さんが家出したり)、ふだんの暮らしのことなどもいろいろ描かれていました。

なかでも、小雪さんが子どものころ親から虐待を受けていたことをカミングアウトしているくだりには驚き、せつない気持ちにさせられました(当時もつらかったでしょうし、それを公にすることもとてもつらかったと思います)

TVやネットニュースなどで小雪さん&ひろこさんのことを見知っている方の中には、もしかしたら、二人とも美人だし、キャリアもあるし、何と言うか、特別に恵まれた遠い存在の人たちみたいな印象を受けた方もいるかもしれません。が、本当はそれぞれに欠点もあるし、いろいろ苦労をしてきたんだということがよくわかります(ひろこさんの方も、初めは無理して男性とつきあったりしていて、レズビアンであることを受け容れるのにずいぶん時間がかかったそうです)

お二人は、そういう苦労を乗り越え、たまたま同じように前を向いて歩いていけるようなパートナーに出会い、強い信念や覚悟、決心を経て、今に至ったのです。だからこそ、ひろこさんのご両親が本当に親身になってお二人を支えてくれたという話には、胸を打たれました(特に、結婚式でのお父様のスピーチは、号泣モノでした…漫画を読んで泣いたのは歌川さんの本以来かも)。そういうすべてが明るいタッチの漫画として描かれていることで、よりいっそう感動を誘います。

とりあえずどちらか一冊買ってみようかな?と思う方は、まず、こちらの『レズビアン的結婚生活』を読んでみてはいかがでしょうか。恋愛についてのお悩みがある方、結婚について真剣に考えている方、親との関係がうまくいっていない方なども、きっと勇気をもらえると思います。