魅惑の春野菜、ホワイトアスパラガス

ドイツの市場に並ぶホワイトアスパラガス。見た目や色、太さなどで値段も変わり、1キロあたり2ユーロ前後から10ユーロ近いものまでさまざま

ドイツの市場に並ぶホワイトアスパラガス。見た目や色、太さなどで値段も変わり、1キロあたり2ユーロ前後から10ユーロ近いものまでさまざま

緑との違いは栽培方法。最近は日本でも缶詰以外のホワイトアスパラガスを目にする機会が増えた

緑との違いは栽培方法。最近は日本でも缶詰以外のホワイトアスパラガスを目にする機会が増えた

春の訪れと共にヨーロッパの人々が待ちわびている旬の食といえば、ホワイトアスパラガス。日本でアスパラガスといえば緑が主流ですが、ヨーロッパ、なかでもドイツでは白が大定番。もちろん缶詰の細いものとはまったく違いますよ! 一度その味を知れば、春が来るたびにそわそわしてしまう、やさしく滋味深い春の風物詩です。

白くたくましい茎をもつホワイトアスパラガス。日本でおなじみの緑のアスパラガスとはまったく違うように見えますが、実は品種は同じ。違いは栽培方法によるものです。太陽の光をたっぷり浴びさせるグリーンアスパラガスに対して、太陽の光が当たらないように盛り土をして育てるホワイトアスパラガス。穂先を非常に丁寧に扱わなければないことから、フランスでは「マドモアゼルの指先」と呼ばれることもあります。グリーンアスパラガスのシャキシャキした食感とはことなり、やわらかく繊細な歯ざわりと甘味が特徴です。

アスパラガスの歴史はいまから4,000年ほど前にまでさかのぼり、古代エジプトやギリシャでも食されていたといわれています。ただし、これは緑の方。ホワイトアスパラガスは中世の飢饉の折に偶然見つかったとされ、かつては貴族だけが食べられる貴重な野菜でした。なんでも美食家で知られるルイ14世の大好物でもあったのだとか。

 

この時期はレストランでも特別料理を提供。別紙のメニューなども見逃さないようにしよう

この時期はレストランでも特別料理を提供。別紙のメニューなども見逃さないようにしよう

現在ではドイツやフランスをはじめ、イタリア、ベルギー、オーストリア、オランダ、スイスなどヨーロッパの広い地域で食べられています。なかでもドイツの人々のアスパラ好きは広く知られるところ。アスパラガスをゆでるための縦長の鍋や専用の皮むき器を持っている人も少なくありません。旬は4月中旬~6月末ごろ。シーズン中は市場に山盛りのホワイトアスパラガスが並び、産地では道端や農家で売られていることも。そして多くのレストランにはアスパラガスを使った特製メニューがお目見えします。季節限定なので通常のメニューには載っていないことも多いので、入口のボードなどにも要注目です。

 

ヨーロッパ流、ホワイトアスパラガスの食べ方

定番! オランデーズソース

定番! オランデーズソース

新鮮なホワイトアスパガスは、野菜といえども主役級の存在感。素材の旨味をいかして、調理はシンプルにゆでるだけ。それを種々のソースといただくのが定番です。マヨネーズにも似たオランデーズソース(卵黄とバターの温かいソース)がよく使われますが、ヴィネグレットソース(酢とオイルで作る、いわゆるフレンチドレッシング)や溶かしバターも人気です。ベルギーでは固ゆで卵と溶かしバターのソースをかける“フランドル風”でも広く食べられています。

 

ホワイトアスパラガスのスープ。クリーミーで濃厚な口当たり

ホワイトアスパラガスのスープ。クリーミーで濃厚な口当たり

レストランではスープやリゾットにしたり、サラダに仕立てたりと、ちょっと凝ったメニューも並びます。なかにはアスパラ尽くしのコースを楽しめる店も。イタリアではさすがお国柄、パスタやリゾットに使われることもあります。

現地の言葉でアスパラガスをなんというか覚えておくと、レストランに用意があるか確認できて便利。旬の時期なら単語をいうだけで、すぐにピンときてくれるはずです。

 

  • Spargel(シュパーゲル / ドイツ語)
    例:Spargel mit zerlassener Butter アスパラガス溶かしパター添え
  • Asperge(アスペルジュ / フランス語、オランダ語)
    例:Asperges a la flamande フランドル風アスパラガス
  • Asparago(アスパラゴ / イタリア語)
    例:Risotto con gli asparagi アスパラガスのリゾット(※asparagiは複数形)